高ジョッキ
たかじょっき
1209m
長野原町
国道145号線から望む高ジョッキと丸岩
登山日 2005年11月14日(曇り) しんぷる
行 程 登山口(11:04)…紅葉の岩場(11:18)…第2ピーク(11:25)…山頂(11:40-12:40)…登山口(13:10)

登山口
 平日だというのに吾妻渓谷は多くのハイカーで賑わっていた。さすがに渓谷の紅葉も終盤で枯葉が目立ってはいたが、中には見事な色彩を放つモミジの木も見うけられた。今日は以前から紅葉に季節の訪れてみたいと思っていた須賀尾峠の山を歩くことにした。菅峰を訪れたのは早春と呼ぶにはまだ早い時期で積雪があった時だった。須賀尾峠東側にある首のない地蔵が登山口となっている。菅峰の登山口とは国道を挟んでちょうど反対側にあたる。
 近くには駐車場がないため適当に駐車余地を探して止めるしかない。全く車がないところを見ると一人静かな山歩きになりそうだ。地蔵の前から行く先を眺めれば既に落葉した雑木林が寒々しい。案外歩かれているのか堆積した落葉の上からでも踏跡がはっきりと見て取れる。傾斜が増すと落葉に足を取られて歩きにくい。踏跡と同時におびただしいまでにテープの類が立木に付けられていて迷う要素はなさそうだ。
落葉の登山道

映える紅葉
 すっかりと葉を落とした立木が多い中、今が盛りとばかりに素晴らしい紅葉を魅せてくれる木もある。今年の紅葉は色彩がはっきりとせず不満を感じていたが、それも一気に解消しそうな見事さである。
 登山口から歩くこと僅かで尾根に取り付く。落葉を敷き詰めた踏跡を辿っていく。地面が見えることもない。やがて尾根の右手に真っ赤な紅葉の木々の集まりが見えてきた。右手の紅葉を楽しみながら踏跡に従って登っていけば松の木が立つ岩場だ。この岩場を中心に真っ赤な紅葉が集中している。そこから僅かで最初の小ピークに着く。

最初の岩場
 方向を東に変え、緩やかに下り痩せた尾根を行くと二つ目のピークだ。ここでようやく灌木の隙間から高ジョッキが姿を現す。左手に丸岩を眺めながら小さなアップダウンを繰り返して高ジョッキの基部に着く。ここからは岩場の急登となる。登山道には落ち葉の堆積はなく、立木や岩に掴まっての登りだ。足場の良いところで振り返れば丸岩が眼下に見える。その遠望には冠雪した草津白根山が広がっている。さらに右手には白砂山がやはり白く浮かんでいる。やがて岩場を過ぎ傾斜も緩やかになるとツツジの低木に覆われた山頂に着いた。
 山頂からは360°の展望が楽しめるが、一ヶ所からは全てを楽しむことはできない。3カ所の景観場所がある。山頂標識手前からは北〜東方面が開け吾妻の山々が一望に見渡せる。さらにその奥には今日は見ることができなかったが、谷川連峰が白い峰々を見せてくれているに違いない。標識を過ぎて奥に進むと、浅間山が見事だ。その右手には四阿山、そして左手には浅間隠山が近い。そして菅峰が間近だ。その尾根は黄葉に染まり倉渕方面に延びている。
山頂直前から見下ろす丸岩

山頂から菅峰を望む
 登り初めは薄日が差していたが、今ではすっかりと厚い雲が全天を覆っている。快晴であればそれは見事な大展望を楽しめるのではないだろうか。こんなに眺望の良いピークとは予想していなかった。もう一度訪れてみたい頂である。そして新緑の季節も楽しい山歩きができるコースである。すっかりお気に入りの山になってしまった。
 山はもう冬だ。それなりの支度をして歩かなければならないようだ。隣の丸岩も歩こうかと思ったが、どうやら眺めるだけで十分の山のようだ。やがてダムの下に沈む川原湯温泉の聖天(昇天)露天風呂に浸かり家路についた。
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