桟敷山
さじきやま
1931m
嬬恋村
桟敷山林道から望む桟敷山
登山日 2005年10月27日(晴れ) しんぷるライフ、KM、U
行 程 駐車場(10:25)…展望台分岐(11:13)…桟敷山頂上(11:20-11:25)…展望岩(11:40-12:15)…駐車場(12:50)

登山口
 旧鹿沢温泉を過ぎ、九十番観音付近から左折し桟敷山林道に入る。舗装された林道を行くことわずかで桟敷山登山口の案内があり、そこは立派な駐車場となっている。その駐車場の隅に登山口があり山頂まで1.7Kmとある。山頂までは予想以上に高度差があるようだ。西側には雲の切れ目から差し込む日の光で山頂を緑に輝かせた湯の丸山が鎮座している。林道の先には西籠ノ登山が聳えている。
 暖かい日差しの中道標に従って歩き出すと直ぐカモシカに出会った。彼は一寸した岩の上でじっとしてこちらの様子を窺っている。こちらも注視しながら歩いていくがじっとして動く気配がない。あまりにも動かないので木彫りではないかなどと話しながら近づくと、右耳が僅かに動くのが見えた。本物だよと言いながら尚も近づくと、ヒラリと岩から飛び降り我々との距離を保った。それでも視線はこちらを向いていた。カモシカに声を掛けながら登山道を行く。
カモシカのお出迎え

カラマツの黄葉と青空
 シラカバは既に枯れた葉を落とし、白い木肌のみを見せている。湯の丸高原はカラマツが多い。すでに盛りは過ぎたようだが、なんとか黄色の針葉が山肌を彩っている。道はジグザグと続いていて、落葉をサクサクと踏みしめながらの登りとなる。もうすぐ11月だというのに風のない陽だまりの中は汗をかくほど暖かい。以前10月初旬に湯の丸山に登った時、耳がちぎれそうなほど寒かった事がまるで嘘のようだ。
一本の幹がスッと直立し、無数の細い枝が横に出ていると言ったカラマツの他に、まるで盆栽のように太い幹が枝分かれをしている巨木を目にすることが出来た。

桟敷山山頂

分岐付近
  黄葉の続く道を相変わらずジグザグと歩いていくと広い笹の広場に出た。回りを見回せば、もう大して登るところも見当たらない。平坦になった道を行くと道標の立つ分岐に出た。右は展望台、左は山頂300mとある。あまり展望を期待していない山頂に最初に向かった。平坦な笹原を行き、わずかに登ればそこは案外と開けた展望を持つ山頂だった。正面に四阿山、その右奥には草津白根山、眼下には田代湖が青く輝いていた。古い石祠が置かれた1930mの山頂には1915mとの山頂標柱が立てられていたが、これは東側のピークにある三角点での標高であり、明らかに誤りであろう。三角点へは藪漕ぎをしていかなければならないようだ。記念写真を撮り分岐まで戻り展望台へと向かう。
展望岩  緩やかに下りとなった道を行くことわずかで展望台らしき岩場が潅木の中に現れた。ここで道は途絶え、数人が腰を下ろせるほどの広さを持った岩場が展望台となっていた。展望岩からの景色は正面に地蔵峠、右手には湯の丸山、左手には小桟敷山、そして何よりもいいのは眼下に見下ろす黄葉の林だ。何とも言えない穏やかで幻想的な風景に心が落ち着く。展望岩に腰をかけて簡単な食事にした。
 帰りにはやや風が出てきたせいか、カラマツの針葉がハラハラと光り輝きながら落ちてきた。同じ道でも視点が違うと新たな発見があったりして楽しい。意外と急な登りだった道を下っていくと出迎えに来てくれたカモシカが朝と同じ位置に立っていた。人恋しいのかそれとも一人ぼっちなのか、我々が帰るのを名残惜しそうに見送ってくれた。
inserted by FC2 system