平標山
たいらっぴょうやま
1983m
みなかみ町・新潟県
登山日 2005年6月25日(晴れ) しんぷるライフ
行 程 元橋登山口(7:05)…鉄塔下(8:10-8:25)…松手山(8:55)…平標山(10:20-11:25)…平標山の家(12:15-12:25)…林道出合(13:15)…元橋登山口(14:10)

松手山コース登山口
 元橋の駐車場に着くと既に多くのハイカーの車で一杯だった。平元新道経由で行くのが楽なのかなあ…と思っていたが、最初に高度を稼いだあとに稜線歩きとお花畑を楽しめる松手山コースを今回も採用した。松手山コースはきつい、という事になっているが決してそんなことはないと思う。長い林道歩きを強いられた後に、階段歩きが大部分を占める平元新道コースと大して変わらないのではないだろうか。要するに標高差はほとんど変わらないわけだから…。そうなれば展望に優れる松手山コースを選びたくなる。前回訪れたのはは7月の中旬だった。3週間ほど速いが、tomoさんのHP報告を見て歩いてみたくなった。

山頂までの稜線
 先ずは巨大鉄塔を目指しての歩きだ。登山口からは急登の丸太階段の登りから始まる。鉄塔までは比較的辛い登りなので足慣らしを兼ねてゆっくり歩くことにする。うっそうとした薄暗い登山道は、まだ朝早いせいか心地よい感じだ。両脇にはヤマツツジが咲き誇っている。それに混じって、サラサドウダンが高度を上げるにつれちょうど良くなってくる。ゆっくり歩きのせいか後続のハイカーに道を譲ることが多い。樹林を一旦抜ける。振り返ればまだ雪を残した苗場山が大きい。登山道からは鉄塔が見えるようになるがなかなか着かない。鉄塔へと続く道の両側はヤマツツジの回廊だ。足下にはアカモノやニガナ、シロニガナなどが咲いている。ウツギなども多い。抜かれ抜かれながらも、ようやく送電鉄塔の立つ尾根に出た。

松手山頂上
 鉄塔の下では我々を追い越していったハイカー達が休憩している。それに混じって休憩することにした。コンクリートの上に腰掛けて水分補給だ。昨日も暑かったようだが、それの劣らぬほどの暑さが予想されている。汗が引いた頃再び歩き出す。鉄塔を過ぎ樹林帯を抜け、平標山までの稜線が見えるようになるとベニサラサドウダンの回廊となる。足下にはアカモノが圧倒的に多い。ほどなくして松手山頂上だ。ゆっくりと歩いてきたはずだがコースタイムに近い。休憩はせずお花畑へと続く急登の手前まで歩くことにした。しばらくは気持ちの良い稜線歩きを楽しむことが出来る。登山道には多くのハイカーが適当な間隔で歩いている。急登を前に手前のちょっとしたピークで一服だ。

花畑への急登

松手山方面を振り返る
 見上げた感じでは30分ほどの急登だ。ガレ場に再び木段が現れる。抜きつ抜かれつしてきたハイカー達の足取りも若干重いようだ。しかし、ここを登りきれば山頂までの緩やかな稜線歩きとお花畑が待っている。登り始めて中程でハクサンチドリが姿を見せる。ヨツバシオガマが足下を飾る。足を止めて目をやればハクサンイチゲの群生だ。下山途中の女性単独行者が、「ほら、ここにオノエランが…、シオガマが綺麗ですね。もう少し上に行くとハクサンチドリなど多くの花が咲いていますよ。」とのお言葉。始めてきた時はガレ場で歩きにくかった記憶があるが、木段が設置され歩きやすくなった気がする。下山者にも多くすれ違う。振り返れば苗場山をバックに、歩いてきた稜線が気持ちよい。

花畑の木段
 お花畑を過ぎるといよいよ笹の道となる。山頂付近も目視できるようになり、大勢のハイカーの姿がだんだんと大きくなってきた。そして遠くに見えた平標山の頂上に着いた。いやあ、さほど狭くはない山頂もハイカーで占拠され休むところを探すのが一苦労だ。仙ノ倉へ続く登山道が見える位置に腰を下ろす場所を確保した。軽く腹ごしらえをして花畑の中を突っ切る階段を下りた。そこにはハクサンイチゲ、チングルマ、ハクサンコザクラなどが一斉に咲き誇っていた。仙ノ倉への山肌にはは若干の雪渓が残っていて、山の家に冷たい水を恵んでいるに違いない。さあ、山頂に戻って冷たいソーメンでも食することにしよう。夏の平標山は暑いのだ。

仙ノ倉を望む
 北には残雪期における谷川連峰の展望台となる日白山やタカマタギなどが連なっている。なるほど、確かに連峰を見渡すには丁度いい場所だ。いつか澄んだ空気の中で白銀の谷川連峰を眺めてみたいものだ。
 山頂標識の前で記念写真を撮ってもらい平標山の家に下っていく。妻には辛い階段の下りだが短時間の我慢ということで選択した。ゆっくりと下る。シャクナゲの咲き終えた花びらが無惨に残されていた。脇にはベニサラサドウダン、ウラジロヨウラク、そして足下にはマイヅルソウやイワカガミなどが慰めだ。山の家の向こうには大源太山から三国山へとつなぐ登山道が見える。いつかは歩いてみたいコースだ。やがて湿地帯にはワタスゲの穂やイワイチョウが目立つようになる。山の家の赤い屋根がだんだん近くに見えるようになってくる。そして登りに掛かる時間をかけて山の家に着いた。山の恵みの冷たい水を頂いて一休みだ。

山の小屋と大源太山
 残りは丸太階段の続く道を下り林道歩きとなる。植生の乏しい道で、どうしても松手山からのコースには劣ってしまう気がするのだが。とにかく1時間近くの林道歩きが苦痛だ。カラマツの林が現れるとやがて林道だ。林道には数台の車が整然と駐車されていた。どうも合点がいかないがしかたない。前回同様、ゲート先の沢で顔を洗いのどを潤した。林道でも多くのハイカーに追い越されることになったが、何とか無事に登頂できて良かった。また来たいけれど、ちょっと大変だなと妻の一言。きっと一週間たてば忘れてしまうに違いない(笑)。
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