黒斑山
くろふやま
2404m
嬬恋村・長野県
登山禁止の浅間山
登山日 2005年6月12日(曇り) しんぷるライフ、KM、Us
行 程 車坂峠(08:30)…槍ヶ鞘(09:45-09:55)…トーミ(遠見)の頭(10:05-10:10)…黒斑山(10:25-12:00)…中コース分岐(12:25)…車坂峠(13:20)

カラマツやコメツガの道
 梅雨の晴れ間の一日だ。久しぶりに浅間山とした。一口に浅間山と言っても、浅間山本体である釜山、そして外輪山の前掛山・黒斑山・蛇骨岳・仙人岳や石尊山、小浅間山などの総称だ。そのなかで最も人気があるのが黒斑山だろう。とは行っても活火山である浅間山の活動により登山区域が制限されているため、黒斑山までの登山が一般的になっている理由によるだけかもしれない。昨年の噴火により、現在は噴火口から半径4q以内は登山禁止になっている。車坂峠からの登山口には虎縄が張られ、「浅間山登山禁止」との案内板が置かれていた。登るのは黒斑山だからと屁理屈を付けて登り出す。まあ浅間に関しては自己責任で登るようにとも書かれているので良しとしよう。
 ロープを跨ぐといきなりハクサンイチゲとイワカガミのお出迎えだ。歩き出しでイワカガミでは花は期待できそうもないなあ。シャクナゲは花芽も赤くない。しかしカラマツやコメツガの若葉が目を楽しませてくれる。表コースでの登りとした。
 足下にはツガザクラが多く咲いている。車坂山を越えて上り返すのが表コースの嫌なところだ。溶岩が浮き出た緩やかな上りの登山道を行く。基本的に針葉樹林帯の道だが、所々樹林が切れ暑い日差しを浴びていかねばならない。しかも無風状態で湿度も高いようだ。登山道の南側に施された緑色のロープと岩のペイントを頼りに幅広いコースを歩いていく。

篭ノ登山方面を振り返る
 歩き始めは咲いていなかったアズマシャクナゲが淡いピンクの花を見せだした。やけに色が薄いなあ。白もそれなりに綺麗だけれど、個人的には鮮やかなピンクの花が好きだ。それでも高度を上げるに従って赤みが増してきて良い感じのシャクナゲが多くなった。ちょっとしたガレ場を過ぎると少し行くと丸太階段が現れた。それだけ傾斜がきつくなったと言うことだろうが一気に高度を稼いでいく。振り返ればさっきまでガスの中だった篭ノ登山や水ノ塔山が姿を現している。

槍ヶ鞘から望む
 そして槍ヶ鞘の避雷小屋に近付くと浅間山が姿を現した。正確には前掛山になるのだろうか。釜山はその後ろだ。相変わらず噴煙を上げているがご機嫌は良いようだ。槍ヶ鞘でトーミの頭へ続く道や剣ヶ峰などを眺めながら一息入れる。ご機嫌が良いうちに記念撮影だ。トーミの頭への道には十人ほどのグループが休憩をしている。空を見上げると雲が虹のグラデーションに輝いている。プリズム現象だろうか。しかし中越地震のことも頭にあり、地震雲ならぬ噴火雲ではないかと大騒ぎになった。翌日になって聞いたところでは、あちらこちらでこの現象は見られていたらしい。水平環や彩雲と呼ぶようだ。いずれにしろ奇妙なものに遭遇した事実には違いはない。
虹かプラズマか?雲海の富士山も見え、十分に写真撮影をした後にトーミの頭に向かって歩き出す。一旦下ってから上り返し、休憩中のグループと挨拶を交わして先行する。トーミの頭付近にはキバナノコマノツメが咲いていた。花は期待できないと思っていたが、ここまでにツガザクラ、ハクサンイチゲ、イワカガミ、オオカメノキ、アズマシャクナゲ、ミネザクラ、コヨウラクツツジ、ミツバオウレン、ヒメイチゲなどが迎えてくれた。


槍ヶ鞘から望む剣ヶ峰
 トーミの頭でも記念写真。ここからは、黒斑山から鋸山・Jバンドへと続く外輪山の景色が見事だ。私のお気に入りの展望のひとつである。直ぐに湯の平方面への分岐だ。急な斜面の「草すべり」を一気に下りていく道だ。足が上がらず10歩登っては一休みを繰り返した記憶がよみがえる。この頃から浅間山本体はすっかりガスがかかって姿を隠してしまった。中コースへの分岐を左に分け樹林帯の尾根を歩く。足下はややぬかるんでいて滑りやすい。そして数人のハイカーが休む黒斑山頂上に着いた。

黒斑山頂から見る外輪山
 相変わらず浅間山はガスの中だ。歩き始めて2時間足らず、ガスが晴れるのを待ちながら昼食とした。そうした中にも続々とハイカーが登ってくる。しかしここ黒斑山から先へ向かうものはない。一気に賑やかな山頂となった。1時間ほどすると漸く浅間山の機嫌が良くなってきた。ガスが晴れお気に入りの展望を満喫することが出来た。
 帰路は中コースだ。一部歩きにくい所もあるが、全般的に緩斜面で下りには手頃なコースだ。シャクナゲやコミヤマカタバミなどに見送られながらの下りとなった。車で湯の丸高原を回ってみたが、多くの観光客で賑わっていた。そして日本一と言われるレンゲツツジの群生地も下の方では咲き始めていた。
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