二子山
ふたごやま
1165m
埼玉県
二子山
登山日 2005年4月23日(晴れ) しんぷる
行 程 登山口(8:50)…分岐(9:23)…股峠(9:37)…東岳(9:57-10:10)…股峠(10:26)…稜線(10:45)…二子山西岳頂上(10:50-11:00)…西岳稜線の終端(11:25-11:55)…鎖場下のニレの大木(12:07)…志賀坂峠分岐(12:18)…国道299(12:47)…登山口(12:55)
 かつて神流町の諏訪山を訪れた時に、志賀坂峠を挟んで対峙する二子山を望むことが出来た。その時は、どっしりとした厚みのある岩山だなあとの印象を持ったのだが、実際に歩いてみると岩の痩せた稜線をもつ山であった。この山も鉱山である叶山と同じ石灰岩で形成されている。そのせいか稜線の岩肌が面白く浸食されている。西岳が主峰のようだが、東岳も西岳と同じような登山道であり特に危険というほどではない。 西岳案内図

民宿登人の裏の登山口

杉の植林帯
 登山口は民宿「登人」の裏にあるという。志賀坂トンネルを抜けて直ぐに右への分岐がある。気になる分岐ではあるが今日は国道を直進する。民宿の手前から林道西秩父線が延びており路上駐車の車が目に留まった。近付いてみるとそこが登山口になっていた。そばには立派な「バイオトイレ」が設置されている。

股峠
 のんびりムードの登山口だが直ぐに杉林の中へと入っていく。そして雑木の沢に沿って登山道は続く。鳥のさえずりが春の気分に浸してくれる。足下には紫のスミレが目を引く。そしてニリンソウの群生だ。時折、二子山の岩壁が姿を見せる。杉の植林帯を抜けると明るい雑木林となる。そろそろ沢ともお別れのようだ。沢を抜けると直ぐに分岐。プレート道標がロープに吊されている。これがないと右の尾根に取り付く道に気づかないかもしれないなあ。尾根は急登だ。再びニリンソウの群生が現れるとローソク岩への分岐。カタクリもチラホラ見られるようになった。そして程なく股峠へ到着。峠にはカタクリが数多く花を咲かせていた。峠に向こうには林道が延びていて路上駐車の車がたくさん見えた。道標では倉尾方面ということになっている。

東岳を目指す
 先ずは東岳を目指す。急登である。木に掴まったり、岩に手を掛けたりとなかなか大変である。北側にせり出した岩を巻くように付けられた鎖場を緊張して過ぎると稜線に出る。ちょっとしたピークになっていて展望も良いが先を急ごう。痩せた石灰岩の尾根だ。手を使わないと危なくてしようがない。一部巻き道を行くが四本足になった気分で先に進むと、目立った山頂標識のない東岳頂上に着いた。
東岳頂上

東岳から望む西岳
 南には両神山、その遠景には名前は知っているだろうが山座同定の出来ない山々、西には気になる大ナゲシのピークを始め大山や天丸山、その奥に上野村の諏訪山、さらには御座山などが望まれる。北に目を向ければ父不見山や御荷鉾山、赤久縄山などが懐かしい思い出とともに眼前にある。それにしても西岳の岩壁は見事だ。汗も引いたし西岳に向かうとしよう。岩稜慣れしたのか股峠までの帰路は案外と楽な気がしたが、心持ち膝が痛いような気がするなあ。

上級コースと道を合わせる
 股峠には西岳の案内図がある。それによると上級者コースと一般コースがあるようだ。東岳への上りと違い露岩は少ない。直ぐに分岐が現れたが道標はない。直進が上級者コースだろうが、今日は一般コースを進む。
巻き道をジグザグと登れば疎林となり露岩の急登に変わる。東岳の上りと同じようになってきたぞ。鎖場を過ぎると上級者コースからの道を合わせ、わずかで西岳の頂上に出た。一般コースと言っても油断は出来ない。上級者コースの方を眺めると、南壁にクライマーが取り付いている。

西岳山頂
 山頂には物静かな登山者が一人で腰を掛けて本を広げていた。覗いてみると「埼玉県の山」とあった。そうか、ここ二子山は埼玉県の山なんだなあ、西上州に入れてはいけないのだろうか…。西に目を向ければ間近に諏訪山が望める。本来ならここで昼食にするのだが、痩せた稜線歩きに不安が残るので西端の小ピークまで進んでからゆっくりと休むことにした。
大ナゲシ方面を望む

西岳を振り返る
 東岳の北側ではアカヤシオが咲いていたが、この山域はあまり多くないようだ。来た道を振り返れば西岳は屏風のよう薄い。わずか上空をツバメが風を切って飛んでいる。その羽音がブンと聞こえた。360度の展望を楽しみながら静かな時を過ごす。真っ白に見える場所が叶山だろう。石灰岩を採掘している山だが、まさに白いテーブルと言ったところか。りっぱな工事車両用の道が続いているが、土曜日のせいか全く動きが見られない。いずれこの鉱山の採掘が終わったらどうなるのだろうか。この付近一帯は石灰岩が多いようだし…。さて、慎重に下山しよう。
 わずかに岩稜を西に進むといよいよ稜線とはさよならだ。急斜面を一気に下ると最後はほぼ垂直の鎖場だ。その下にはタイガーロープが張られており、それに沿って下降すれば、ニレの大木が立つ巨岩の基部だ。どうやら岩からは解放されたようだ。

境界を歩く
 杉の植林帯を抜けると風景は一変する。南斜面の木々が伐採され裸同然になっている。そこに道が付いていて振り返れば西岳の岩壁が見事だ。ローソク岩への分岐道標が立っている付近が最高のビューポイントとなっている。直ぐに志賀坂峠への分岐だ。ミツバツツジが目に留まると再び杉の植林帯に入っていく。最後はえぐれた作業道が国道まで続いていた。西岳登山口と書かれた道標から民宿までは近い。
のどかな作業道
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