白雲山
はくうんさん
1104m
富岡市
登山日 2004年11月3日(曇り) しんぷる、KY、A、S
行 程 妙義神社(8:10)…大の字(8:50-9:10)…奥の院鎖場(9:45-10:15)…ビビリ岩(10:35)…玉石(10:45)…大のぞき(11:20-11:30)…天狗岳(12:10-12:50)…タルワキ沢のコル(13:10)…相馬岳(12:30-12:40)…タルワキ沢のコル(13:50)…中間道(14:50)…妙義神社(15:35)
 上毛三山の一つ妙義山。その奇岩を連ねる山容は誰もが注目することだろう。上毛カルタに「紅葉に映える妙義山」とある。岩に紅葉が映える山なのである。石門めぐりでも妙義山の魅力は十分に味わえるが一度はピークの一つも踏んでみたい。白雲山から金洞山までの縦走となると大変そうだ。特に鷹戻しは難所中の難所らしい。無理をせず妙義神社から相馬岳山頂を踏みタルワキ沢を下るコースを計画した。しかし意外に手こずった山行になってしまった。
マップ

沢を行く
 妙義旅館街の町営駐車場に駐車する。紅葉が見頃を迎えているせいか多くのハイカーが準備をしている。出遅れると渋滞に巻き込まれそうだ。立派な境内では、ふるさと祭り郷土芸能祭が行われるようだ。歴史が刻まれた長い石段を登ると国の重要文化財に指定された妙義神社だ。先ずは登山の安全を祈願して「大の字」を目指そう。本殿の前を右手に行けば樹林帯の登山道となる。前日の雨のせいで草木が濡れている。う〜ん、今日は岩場に鎖場と難所が多いコースのはずだからなあ…と、一抹の不安が頭をもたげる。

大の字岩峰

白雲山

 沢沿いの道を進むと早くも鎖のお出まし。難なく過ぎれば大の字岩峰の基部だ。そして渋滞、登る人に降りる人が交代で行き来する。折角だからと順番を待って鎖に取り付く。何でもないような鎖場だが、取り付いては断念していくハイカーもいる。ザイルを使っている人もいる。まあここは一般道だから仕方がないかぁ。岩上は狭く10人程度で一杯の場所だ。展望はというとガスが…。基部に戻り「奥の院」を目指す。先行する団体について歩けば、巨大な岩がゴロゴロと転がり落ちたような場所に出た。樹木がなぎ倒されている。さらに道標さえも無惨なあり様だ。ここは奥の院と中間道への道を分けている「辻」のようだ。先行した団体は、一部奥の院までピストンした仲間と合流して中間道へと下っていった。登山道は崩壊地の右手に付いていて特に問題はなさそうだが、しばらくは注意が必要だろう。この崩壊はおそらく新潟中越地震の影響であろう。

奥の院のクサリ場

紅葉の中を行く

ビビリ岩のクサリ場
 立木の手伝いを借りて奥の院まで来た。ガスで鎖の先まで見えないし先行者も霞んでいる状態だ。最初の難所で足場と鎖が濡れているが、そんなに怖い感じはしない。鎖に取り付き足を上げる。オットット、いきなり体が右に振られ失敗。気合いを入れ直して再度挑戦だ。取り付きさえクリアできれば特に問題はなさそうだ。しかし70才には無理なのかなあ。50代後半で表妙義縦走したという同行者は最初から手こずっている。再度ザイルの登場だ。時間はかかったが無事に最初の難関を通過、やれやれだ。 紅葉を楽しみながら歩くことわずかで「見晴」だ。裏妙義の展望が良いはずなのだが…。ガスの晴れ間に裏妙義が姿を現す。そう言えば裏妙義縦走の時もガスっていたなあ。のんびり歩くこともわずかでビビリ岩に到着。7mの鎖場だが嫌らしい感じ。それでも奥の院の鎖場から比べれば大したことはない。全員軽快に通過し主稜線に出る。

裏妙義方面を望む

大のぞきから天狗岳

登山道での一枚
 白雲山の標識はどこにあるかわからなかった。ガスが切れた展望にしばし感慨。紅葉と岩峰が織りなす自然美を堪能しながら歩く。玉石を過ぎると御嶽三社大神の石碑が立つ「大のぞき」だ。谷を挟んで正面に屹立する天狗岳の岩壁に驚嘆。西方を見れば裏妙義の奇岩が一望だ。振り返れば金鶏山がボンヤリとシルエットの中に浮かぶ。あ〜ぁ、秋晴れに恵まれればなあ。
 大のぞきからは直ぐに鎖場だ。まずは問題ない。そして直ぐに滑り台状3連30mの鎖場だ。しかし今日は一体どうしたのだろう感覚が麻痺しているのだろうか、特別何も感じてこない。高齢の同行者は困難を極めている。鎖の上下で見守りながら何とかクリア。キレットを通過し天狗岳に立つ。ここで昼食にした。2Lのペットボトルが空になりザックの重量が一気に減った。さて、後はタルワキ沢のコルに降りてから相馬岳に乗り上げるだけだ。計画では11時には相馬岳頂上でで昼食の予定だったが大幅に予定が狂った。

タルワキ沢のコル

相馬岳山頂
 タルワキ沢のコルへの道は方向感覚がおかしくなった。道を違えてしまったのではないかと思ってしまったほどだ。しかし分岐はないはずなのと、道標がしっかりと道を示してくれていたので迷うことはなかった。やがてタルワキ沢のコルへ着いた。いよいよ最終目的地の相馬岳は近い。4人全員ザックをデポして最後の登りに向かう。10分あまりで落ち着いた感じの山頂に着いた。大の字から度々一緒になった若いカップル(アベックともいう)に記念写真を撮ってもらい帰路につく。
 コルに戻り中間道への道を下る。天狗岳の岩壁とそこに色付く紅葉が見事だ。大滝では右岸から鎖を頼りにトラバースする。あとは特に危険な箇所はない。やがて中間道にでる。妙義神社に向かって歩けば第二見晴、金鶏山が逆光の中に浮かび上がっている。そして大黒の滝だ。山の保水力はすごいものだなぁ。中間道は遊歩道のように整備されている。ここは「関東ふれあいの道」に指定されているのだから無理もないが…。第一見晴を過ぎると間もなく妙義神社に出る。
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