大峰山・吾妻耶山
おおみねやま・あずまやさん
1254m・1322m
みなかみ町
沼田公園下から望む大峰山と吾妻耶山
登山日 2004年7月17日(曇り) しんぷる
行 程 大峰山キャンプ場入口(7:15)…古沼(7:27-7:31)…大峰沼(7:47)…大峰山(8:35)…赤谷越峠(9:03)…吾妻耶山(9:32-10:00)…鳥居平(10:20)…ノルンスキー場(10:30)…大峰沼(11:00)…登山口(11:20)
 大峰山中腹には本州最古の浮島のある大峰沼とモリアオガエルの繁殖地として有名な大峰古沼がある。訪れてみれば大したことの無いようだが、学術的には貴重であるらしく県指定の天然記念物になっている。大峰沼周囲にはキャンプ場があり、かつては賑わっていたようだ。大峰山にはゴルフ場、吾妻耶山にはスキー場が開発され、それぞれが自然のままの姿ではないが無惨な姿はさらしていない。大峰山頂上からの展望はないが、吾妻耶山頂は谷川連峰の密かな展望台になっている。

登山口

古沼
 前回と同じ月夜野コースだ。どちらかといえば低山に属する二つの山は盛夏に訪れるには向かないのかもしれない。駐車場には一台の車もなく静かな山歩きが楽しめそうだ。先ずはキャンプ場に続く舗装路をのんびりと行く。ガサガサと物音がすると小さな猿が姿を現した。こちらの様子を探るでもなく直ぐに消えてしまった。何回かこの道は通っているがまだ一度も古沼に立ち寄ったことはない。せっかくだから見学にと足をむけてみた。するとモリアオガエル繁殖地を誇示する立派な石柱が建てられていた。解説板は興味がないので読まずにおいた。蛙の鳴き声が聞こえていたがモリアオガエルのものなのかはわからない。

大峰沼

大峰キャンプ場管理棟
 引き返して先を急ぐ。車道の傾斜が緩み、古びてやがては朽ちそうなバンガローが姿を現すとそこが大峰沼だ。前回は沼を周遊して大沼越経由でクサリ場を楽しみながら大峰山に向かったが、今日は新築されたロッジの前を通り展望台を目指して登っていくことにする。群馬県内いくつかの高等学校の山岳部?によって平成14年に設置された道標が要所にあり安心だ。他の道標も所々にある。分岐を左に折れ尾根にむけての上りとなる。

大峰山への登山道

大峰山頂
 踏み跡はしっかりとしているが主ルートではないのか、露に濡れた下草が生い茂り、倒木も所々あって快適とは言えない。ジグザグと上っていけば一部立木が切れ武尊山の展望が得られる。道沿いには開花の準備をしているレンゲショウマが行く株か見られた。しかし何よりも多いのがガクアジサイだ。ジメジメとした樹林帯にあちらこちらと目に付いた。ようやく広い尾根道に出ると今度はヨツバヒヨドリやオカトラノオだ。県防災無線大峰山中継所の脇を通りひとしきり歩くとガッカリするような山頂に着く。完全に登山道の一部である。

赤谷越峠

ガクアジサイ咲く登山道
 さて大峰山頂上からは赤谷越峠に向け雑木林の下りとなる。途中営林署で立てた道標が一つあるだけで今までと比べると心細くなるが、道ははっきりとしていて全く問題はない。短い急斜面を下ると赤谷越峠だ。大峰山頂からは全く花がなかったが、ここには純白のカラマツソウが数輪咲いていた。直ぐ下で草刈り機の音と人の声がする。下草刈りだろうか。道標に従ってガクアジサイやシモツケが咲く急登を行けば程なく台地の上に出る。平坦な道を進み一上りで吾妻耶山頂上に立った。

山頂広場

谷川連峰を望む
 通常見るよりより相当大きい石祠が3基置かれている。それにはかつての村の名前が記されていた。前回の時は霞んで展望が得られなかったが、今日は高曇りのため案外とよい。残雪期に登った阿能川岳を間近に見る。その後ろには谷川連峰の主稜線が平標山からトマノ耳まで見渡せる。さらに笠ヶ岳や朝日岳、平ヶ岳・景鶴山・至仏山・尾瀬笠ヶ岳、武尊山、日光白根山・皇海山・袈裟丸連峰、赤城山、子持山、上州三峰山が、目をおろせば関越道谷川P、水上温泉街などが横たわっている。十分に展望を堪能した後下山だ。おや、賑やかな声が聞こえるぞ、ハイカーが登ってきたかな。山頂を下ると直ぐに、登山道を塞いでいる丸太の切断除去作業をしている5人と顔を合わせた。さっき赤谷越で作業をしていた人たちだろう。下草刈りではなく登山道整備を行っていたのだ。挨拶と労いの言葉を掛けて急斜面を下る。そして間もなく正面に大峰山を見ながらの下りとなる。小野子山や榛名山塊も視界に入ってくる。鳥居平を過ぎ、ノルンスキー場ゲレンデを下っていけばやがて大峰沼だ。
inserted by FC2 system