四郎岳
しろうだけ
2156m
片品村
登山日 2004年5月29日(晴れ) しんぷる
行 程 ペンション村ゲート前(7:00)…林道分岐(8:30)…四郎岳入口(9:30)…四郎岳頂上(10:20-11:00)…四郎峠(11:20)…砂防ダム(12:00)…丸沼温泉(12:20)…R120(12:50)…ペンション村(13:45)
 国道120号から丸沼越しに見える四郎岳は大清水方面から見るものに比べると一段劣る。それは間近に見え過ぎるせいかもしれないし、三角定規を置いたようなきれいな形が見えないからかもしれない。四郎岳に登るには丸沼ペンション村から林道を巡るものと、丸沼温泉から四郎沢を遡行し四郎峠を経て登るものがあるようだ。安全確実に登るならペンション村から、沢歩きと急登を承知の上でなら短時間で登れる丸沼温泉からとなる。山頂からの展望は優れないとのことだが立木が倒され丸沼方面は開けている。

ペンション村からの林道

林道を行く
 土曜日の朝のせいだろうか。ペンション村はあまり活気がないように思われた。それともペンション業界そのものが下火なのだろうか。とにかく直ぐにゲートで閉ざされた林道の入口に着く。ここから歩くことに違いないようだ。歩き出して間もなく「かつら橋」を渡る。林道は良く車が出入りしているようでタイヤの痕もくっきりと残されている。

大尻沼への道標

丸尻橋
 林道傾斜は緩やかで平地を歩いているようである。それでも少しずつ高度を稼いでいくと「大尻沼190M」と「丸沼ペンション村1.8KM」の道標が置かれている場所に出る。やがて南側の展望が開けてくると、日光白根山ドームやいずれ登らなければならない錫ヶ岳がその勇姿を現してくる。いくつかの「大尻橋」を、そして最後に「丸尻橋」を渡れば沢は終わりだ。

カラマツの林

林道分岐の道標
 林道両側の雑木林の新緑が眩しい。やがてカラマツの林となる。カラマツの新芽も同様に見事な緑色をしている。しかし気温が高くとにかく暑い。滴り落ちてくる汗を拭き拭き歩く。やがて伐採地が現れ目の前が一気に開けた感じになると林道が分岐している。分岐地点には「四郎岳←→大尻沼」と書かれた道標が切り株に付けられていた。

道標

日光白根山を望む
 植林事業が毎年のように行われている新しい植林地に付けられた道を登っていく。先ほどまでの林道より傾斜がきつくなっている。植林地を抜けると両側が笹になってくる。2箇所大木に赤ペンキで案内がされている。足が重くヨタヨタになりながらも何とか峠に着いた。振り返れば白根山と錫ヶ岳が正面に見える。

四郎岳入口

残雪の登山道
 峠からはやや下っていく。辺りはカラマツとダケカンバの林だ。残雪が林の中に見受けられた。林道脇の木には赤ペンキで案内がされている。すぐに四郎岳への入口が右手に現れた。林道を直進すれば「赤沢」とある。案内に従って入ると残雪が所々にあった。笹はきれいに刈られ間違えようのない道だ。ほぼ一定の間隔で赤くスプレーされた東電の標柱が打ち込まれている。周囲はダケカンバやオオシラビソなどだ。足下には時折ミツバオウレンが白い花を咲かせている。

四郎岳山頂

丸沼と日光白根山
 南側の展望も開け白根山・錫ヶ岳・笠ヶ岳などがパノラマで広がる。急登や平坦歩きを交互に繰り返してようやく四郎岳の山頂に着いた。山頂の一部は木が倒され白根山・丸沼方面が開けていた。山頂には気づいただけで4つの山頂標識があった。その中にはこのルートでお世話になった山部藪人さんの標識もあった。そして2等三角点が静かに置かれていた。久しぶりに妻が作ってくれたサンドイッチとおにぎりを口にした。

四郎峠
 おそらく東電で整備しているこの道は燕巣山方面に向かって続いている。しかも今まで無かった赤テープも立木に付けられている。迷ったが歩いてみることにした。おそらくJQ1HXFが通った道に違いない。とすれば四郎峠に出て四郎沢を下り丸沼温泉に下りるルートだ。沢が心配で採用できなかったルートになる。いきなり恐ろしいまでの急斜面だ。たまらずザックにしまってあったストックを取り出した。一度足を滑らせたら転げ落ちそうだ。こちらから登るルートを取らなくて良かったと思った。注意深く下りていく。道は広く、赤テープも途切れることなく付けられていて迷うことはない。やがて傾斜も緩やかになると四郎峠に着いた。このまま直進すれば燕巣山だ。この鞍部には相変わらずステンレス板が錆びずに光沢を放っていた。

四郎沢
 さて時間はあるが、燕巣山は機会があれば登ることにして、今日のところはこのまま下山だ。東電の杭は燕巣山方面に続いているようだ。峠から丸沼温泉に向かって下りていく。道ははっきりとして問題ない。しかもマークが途切れることなく付けられている。沢が近くなるとショウジョウバカマがいくつか咲いていた。沢も問題なく歩ける。数カ所ロープも付けられていてはっきりと整備された道だ。これならばこちらのコースも安心して歩けそうだ。あの急登さえなければ…。

丸沼温泉駐車場はずれの道標
 途中二匹の蛇に遭遇した。最初は青大将で次は蝮だったがどうも蛇は苦手だ。自分の方に向かって這ってこられたら恐らくパニックに陥ってしまうだろう。赤ペンキやテープに導かれながら砂防ダムに着く。もう安心だ。わずかで丸沼温泉に出た。駐車場の端には「湯沢峠」の道標の他に「←四郎峠 湯沢峠→」の道標も立てられていた。どうも四郎岳は売り出し中の山になっているようだ。ペンションのオーナーが道標整備をしたともある。丸沼遊歩道を知らずに国道を巡ってペンション村まで戻った。ペンション村でも遊歩道の案内があった。ペンション村から上り丸沼温泉に下りて遊歩道を巡って戻るコースも十分考えられるなぁ。
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