高間山
たかまやま
1342m
中之条町・長野原町・東吾妻町
登山日 2004年4月25日(晴れ) しんぷる
行 程 中室行き止まり(7:00)…稜線(7:50)…小ピーク(8:03)…高間山頂上(8:32-9:00)…高間工事中道路終点(9:17)
 高間山へは暮坂峠、高間集落そして王城山から破線が続いている。山頂までの道のりを考えれば、高間集落からが最も短く時間もかからなそうだ。しかし数少ない情報によれば破線は当てにならず、踏み込む人も少ない藪山のようだ。今回は高間集落から入り山頂を踏むはずだったが、最初からとんでもないミスを犯していた。山頂にたどり着けたのは全くの偶然にすぎなかった。
山頂での記念撮影

笹原を行く

かつての作業道か

道らしき
 国道292号中之条町広池から高間集落を目指す。「←暮坂峠  高間方面→」の道標に従い右折し道なりに行くと、比較的新しい道路が横切っている十字路に出た。ここを直進し高間集落に入ったつもりでいた。実はこれが間違いの始まりだったとは当の本人は知るよしもなかった。直線の舗装路が途絶えると左へ未舗装の道が続いた。それも100mほどで行き止まりとなった。

高間山?
 そこには「…自動車…整備道…」と書かれた標柱が立っていたがはっきりと記憶していない。これが破線始まりに違いないと思い込んだ。標柱を横目に笹原を歩き出す。笹は膝の高さにも満たない。かつて作業道だったのか、標柱にあった整備事業が行われずそのまま放置されたのかは解らないが、いずれにしろ明瞭な道が続いている。予定ではこのまま進み王城山への分岐を右に分けて高間山に立つものだ。

小ピーク
 道は谷に沿って続いている。やがて道は沢と合わせると不明瞭になった。沢を渡れば急登の笹藪となる。右に逃げれば今までより傾斜を増すが楽な上りだ。徐々に右へのルートを取り薄い藪を漕いでいくと広い尾根に出た。そこには古く色あせたビニールテープが立木に付けられていた。出たはいいが踏み跡はない。一面膝下ほどの笹原となっている。左に進む。立木の形状などを記憶していきながら進むがどうもおかしい。これは完全に道に迷ったようだ。
前方にちょっとしたピークが見え、足を運ぶと直径2m程の円形に土が露出し石が置かれていた。 

高間山頂上
 さてどうしたものか。辺りを見回してみるが特に高間山らしきピークはない。まあいざとなれば戻ればいい。時間もまだたっぷりとある。ゆっくりと周囲を確認しながら足を進めると立木の間からピークが見えた。あれだろうか?道なりに進むと左手に深く落ち込む谷が見えてきた。その谷の縁沿いに左に回り込んでいくと赤テープが目についた。明らかに目前のピークに向かって続いている感じだ。とにかく進んでみる。高間山の頂上ならいいがと思いながら急昇を上っていくと、ピークを直前にしてハイカー姿の男性が動いているのが見えた。何とこんな藪山に人がいるとは…。とにかく助かったと思った(苦笑)。

山頂
  挨拶を交わす。「どちらからですか?」「高間からですが…。どうも迷ってしまったようで…。」「私も高間からですけど変だな。北から来たということはこちらを回ってきたのかな?」地形図を見ながらのその言葉に頭が混乱した。道に迷ったことは確かだが、少なくとも南方面から上がってきたつもりでいた。相手こそ何か錯覚をしているのではないかとも思ってしまった。
 帰りは同行させてもらうことにして山頂での一時を過ごす。富岡から来たという彼は前日から高間山を目指していた。最初に暮坂峠から挑戦したが道のない笹原に途中で引き返したという。王城山を巡って来るより楽だと六合村役場で聞いたそうだがそんなに簡単なものではないようだ。そして今日、高間から再度挑戦となったわけだが、何と40分で登ったという。10分ほどウロウロしたから正味30分くらいだともいう。こちらは稜線まで1時間、稜線から30分ほどかけてたどり着いている。

下山地点に走る林道
 山頂には三角点が置かれ高間山の頂上だと確認ができた。山頂標識を探すが何処にも見あたらない。ふと立木を見ると、かつて標識が打ち付けられていたと思われるネジ釘が朽ちた針金を巻き付け残されていた。彼はこちらの山域には不案内のようで、立木の間から残雪の山々を指差し山名を訊いてくる。あれが四阿山、あれが白砂山、谷川、榛名などと答える。
「横手山は登ったことありますか?御飯岳や土鍋山はどうですか?」
などと訊いてくるので、ぐんま百名山を意識しているのかなと気になった。お互いに三角点で記念撮影をした後下山だ。
 上ってきた方と反対側の笹の斜面を下りていく。比較的急な斜面だがほぼ一定間隔で直線的に真新しい赤布が付けられている。ハイカーのものではないが赤布に従って忠実に下りていくと、先を行く彼がきょろきょろし出した。やがて進路を左に変えて下りていくと林道に出た。
「少し来すぎたみたいだけれど、この林道を奥に進んでいったのですよ。王城山への道は笹刈りがしてありました。」
林道の直ぐ向こう側には、延長工事が行われている道路の現最終地点であり、脇に彼の車が駐車してあった。いずれどこかに抜けるのだろう。そうすればこの近辺が高間山の登山口になりそうである。同乗させてもらい、いったい自分がどこから来たのか解らないまま、来る時に直進した十字路に出た。この十字路を右折すれば良かったのだ。舗装が切れたところまで送って頂き別れた。
 最初に歩き出した地点は高間ではなく中室だった。2日間地形図を見てルートを探ったが遂に解らないままだ。なにか腑に落ちないままで終わった高間山の山行だ。
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