檜沢岳
ひさわだけ
1133m
南牧村
下仁田・上野線から望む桧沢岳
登山日 2004年2月15日(曇り一時雪) しんぷる
行 程 登山口P(9:50)…髭摺岩(10:35-10:40)…西峰とのコル(10:50)…西峰(10:55-11:10)…コル(11:15)…山頂(11:25-11:55)…檜沢岳神社(12:02)…コル(12:18)…桧沢川(12:38)…登山口P(12:50)
 塩ノ沢峠を越え上野村に抜ける時に県道45(主要地方道下仁田・上野線)を通る。南牧村最後の根草集落には西上州に広く見られる山村風景がある。今年3月には湯ノ沢トンネルが完成し、桧沢から上野村楢原までの林道「湯の沢線」が暫定開通する。そうなれば根草から先は車の通行もなくなってしまうかもしれない。根草集落を抜け塩ノ沢トンネルに入る前の県道から望む桧沢岳が一番いいと思うのだが…。
桧沢岳西峰から望む小沢岳

登山口
 下仁田ICを降りて何度となく通った道を根草の集落を目指す。天気はちょうど南牧村で日本の東と西を分けるような気配だ。沼田では5cmほどの積雪があり、普通はこれにめげて山行には出かけないのが常である。しかし赤城山から南はたいてい晴天であることは分かり切っているので、一応天気予報を見てから家を出てきたのだ。檜沢岳登山口の道標に従い大森橋を渡ってから左折し村道へ入っていく。ガイドブックを頼りに駐車場まで来ると雪がちらちらとしてきた。

明るい尾根を行く
 駐車場近くにも数件の家屋がある。別荘になっているらしい「SAITO'S」と表札がかけられた古い屋敷の庭先を通り登山道に入っていく。今は耕作されていない畑の跡を横切っていくと明確な登山道となる。道は尾根を直登するような感じで明るい雑木林の中に続いている。しかし、とにかく急登である。ダブルストックを道に突き刺し体重を支えながら上っていく。アキレス腱も伸びきっている。素手ならば木枝などに掴まりたいところだ。そして頻繁に現れる赤テープが道を教えてくれる。

尾根より桧沢岳を望む
髪摺岩と龍徳不達天の碑
 尾根に入った時に立木の陰から桧沢岳西峰方面が見えたが、その後特別展望のない急斜面の道を息を切らしながら上る。やがて尾根の正面に岩が立ちはだかると、道は左から巻くようになる。なおも急登を続けると見晴らしのよい「髭摺岩」に出た。そこには一基の石柱が立ち「龍徳不違天」と刻まれていた。この展望台からは桧沢岳の岩峰が間近に見ることができた。

西峰の絶壁
 アセビの林の中を行き、岩峰の基部を上ると痩せたコルに出た。先は切れ落ちていて安全のためかロープが渡してある。先ずは展望に優れるという西峰に行くことにした。岩場にうっすらと積雪があり嫌な感じだが、ツツジの枝などに掴まりながら上りあげると石祠のある西峰に着いた。桧沢岳のほぼ北側に位置する小沢岳が見事である。そして久しぶりの西上州の山々が広がっている。石祠からさらに踏跡が続いているので足を延ばすことにした。小さな鞍部を越え最も西の峰に立ったが灌木に遮られ好ましい展望は得られなかった。本峰とのコルまで戻る。

山頂
 張られたロープを頼りに本峰へ進む。稜線に出て雑木林の中を行くと、祠と石灯篭の立つ山頂に着いた。祠には「愛宕神社」とある。展望は西峰とほとんど変わらないが、より東方を見渡すことができる。県庁舎も確認できる。榛名山が東西に大きく広がっていて、赤城山を圧倒しているようにさえ感じる。三角点に腰を下ろし久しぶりに山頂での食事だ。やっぱり山はゆっくり歩かなければだめだなあ。食事を終え、山の数が多すぎてほとんど山座同定ができなくなってしまった西上州の山々をもう一度眺めてから下山だ。

桧沢岳神社

帰路の鞍部
 祠の裏から周遊コースをとる。稜線北側のため積雪があり、しかも道は急な斜面である。大きく右に回り込むと本峰の岩壁下の岩室に、今にも朽ちそうな檜沢岳神社が現れる。昭和44年に改築されたようだがその後訪れる人もいないのだろうか、いずれ忘れ去られてしまいそうだ。その先の凍結した岩場を注意深く下ると、さらに痩せた尾根や展望台のように飛び出た岩場などが続き気が許せない。木に掴まりながらゆっくりと降りていけばコルに出る。

桧林

沢に出る
 コルからは雪もなく広葉樹の落葉の上を歩く。明るい雑木林を抜け桧の植林地を九十九折りに急降下、さらに杉の植林地を抜けると砂防ダムのある川に出た。桧沢川だろう。飛び石に渡り土手を上がると林道だ。凍結した上にいくら積雪がある気の抜けない道を川に沿って行けば大森橋だ。駐車場に戻るまで誰とも会うことのない静かな山行だった。
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