吾嬬山
かづまやま
1182m
中之条町
岩櫃山から望む吾嬬山と薬師岳(右)
登山日 2004年2月8日(晴れ) しんぷる
行 程 ゲート前蛇野(大竹)林道起点(09:50)…登山道へ出る(10:15)…吾嬬神社奥の院(10:55)…峠の林道への道標(11:05)…山頂(11:15-11:35)…11号鉄塔(11:50)…峠の林道(12:06)…林道起点(12:40)
 吾嬬山は中之条市街地から西方に薬師岳と並んで見える山だ。JR岩島駅から吾嬬山への道標が立ち、山道に入るまでを案内している。しかしその道は昨年から下水道工事で全面通行止めになっている。歩いていけばよいのだが何か癪である。地図を見れば北面からも林道が延びている。この林道で登山口までと試みたが、先週は積雪のため愛車がスタックして敢えなく断念した経緯がある。懲りずに軽の四駆で再挑戦だ。

11号鉄塔から妙義山を望む

吾嬬山への林道とゲート
 吾嬬神社の脇を抜け林道を道なりに行く。先週大変お世話になった農家の前を通り過ぎるとそこから先は人家がない。愛車がスタックした地点はまだその跡が残っている。その後多少の降雪があったようだがさすがに四駆だ。スイスイと轍のある雪道を上っていく。今回は東吾妻町の岩島駅から林道を上がろうとしたのだが、昨年秋に来た時と同様、下水道工事のため全面通行止めでやむなく先週と同じ道を来たわけである。やがて駐車場かと思われる場所に出た。そこで道はゲートが降ろされて通行不能になっているが、ゲート脇から「蛇野(大竹)林道起点(自動車道)」と道標があり林道が延びている。しかもその道標の脇には比較的新しい「吾嬬山」への道標もある。しかし林道は急で雪も深く車ではとても進めそうもない。しかたなくここから歩くことにした。

尾根を行く
 林道へは踏跡が付いている。新しいものではないが物好きなハイカーのものだろうか。踏跡を辿ると林道からすぐに山に向かって入りこんでいる。すぐに沢に出た。そこからは上部に向かって踏跡は続いたがすぐに失ってしまった。吾嬬山らしき頂が見えるので尾根に登りあげて進むことにした。雪の上に残されているのは獣の足跡だけだ。多少の藪こぎも強いられた。林道を行けばおそらく間違いはなさそうだったが、遠回りをさせられる気がした。
 積雪は壺足程度で特に歩きづらくはなかった。とにかく尾根を目指し、尾根を外さないことだけに注意して上っていった。すると赤テープが目についた。そして踏跡もある。だいぶ日が経っているものに見えた。テープと踏跡を頼りに進むとやがてテープが途絶えた。しかし踏跡は直線的に進んでいて、しかも道は下りになっている。どうもおかしい。テープを探すが見つからないので一旦戻ることにした。合流した地点よりも更に戻ると「←吾嬬山」の道標が現れた。どうやら進んでいた道で合っているようだ。ここで私は大きな錯覚に陥っていたことに気づいた。すなわち私の歩いているところは隣の薬師岳との間ではなく吾嬬山の西面か北面だということである。地図で見ていた林道が2つの山のコルを通っていたことから、すっかり勘違いをしていたらしい。道標が現れたことで、再び元に戻り進むことにした。

吾嬬神社奥の院

峠の林道から合流
 最後の赤ペンキの地点で上部に向かって踏み込むことにした。するとすぐに赤ペンキとテープが見つかった。とにかく一安心だ。ペンキとテープは途切れることなくつ付けられており、その後は迷うことはなかった。そして「吾嬬神社奥の院」の石祠に着いた。そこからは檜林の急登で息を切らしながらの登りだ。積雪は膝まで潜るほどではない。そして「峠の林道へ」の道標に出た。

山頂への道

山頂直前の道標
当初目指していた吾嬬山と薬師岳のコルからの登山道と合流したわけだ。私が歩いてきた方角は「寺社原・大竹」と書かれていた。全く違った登山路を歩いてきたことになるが、とにかく道は一つになった。
 道標に従って山頂を目指すと直前で「岩下」への分岐を左に分ける。そして踏跡のない山頂に着いた。南側には榛名山が大きい。こうして見てみるとまだ登っていない峰がいくつかあることがよくわかる。

山頂

峠の林道へと向かう道
 東側の展望は見事だ。大きく目に入ってくるのが赤城山。そして北に目を移すと袈裟丸連峰〜皇海山〜錫ヶ岳〜日光白根山などの栃木県境の山々と武尊山がパノラマとなっており、視線を降ろせば中之条の街並みも一望できる。北と西方面はあいにく立木に遮られパノラマは見られない。しかし山頂からは立木の間から浅間山〜四阿山〜草津白根山〜白砂山〜谷川連峰などの県境の山が垣間見える。立木さえなければ360度の大パノラマを楽しめる山なのだ。名残惜しいが下山だ。

東電巡視路との交差点

峠の林道
 帰路は峠の林道へ下ることにする。道標に従い尾根を下っていく。赤ペンキが切れることなくつけられている。いつの間にか積雪もなくなると11号鉄塔にでた。
鉄塔上部の尾根を更に進むと東電の巡視路が横に走っている。ペンキは巡視路を横切り尾根に忠実に直線的に付けられていた。ペンキを辿るが遂に尾根を外れ南側を一気に林道まで下りるようだ。これでは帰路が長くなりそうだ。巡視路との交差点まで戻り、巡視路を右(東)に進むことにした。テープはないがしっかりした道で迷うことはない。そして峠の林道に出た。そこには薬師岳への道標もあり道も続いている。こここそが頭に描いていた登山口だったのだ。薬師岳は次の機会にしよう。この林道はゲートで閉ざされた道に違いない。北側を走る林道は雪が深く壺足での歩きを強いられた。そして猟師と猟犬の足跡だろうか、その足跡はゲートに戻るまでずっと途絶えることもなく付けられていた。

東方のパノラマ
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