袈裟丸山
けさまるやま
1878m
みどり市
前、後、中、奥袈裟丸山
登山日 2003年11月1日(晴れのち曇り) しんぷる
行 程 折場登山口(8:10)…賽の河原(9:00)…小丸山(9:50)…避難小屋(10:05)…袈裟丸山(10:50-11:20)…避難小屋(11:55-12:05)…賽の河原(12:50)…折場登山口(13:30)
 袈裟丸山を知らずしてアカヤシオを語るなかれ。そう言った話は聞かないが、アカヤシオとシャクナゲの大群生地帯であることには間違いない。ゴールデンウィークの頃には山全体がピンクに染まると言われる。そして紅葉もまた素晴らしいそうだ。途中の小丸山までの往復で十分堪能出来るようだが、果たしてどうなんだろうか。春に是非一度は歩いてみたくて今回は下見の山行だ。 案内図
沢入から林道に入り折場登山口に向かう。寝釈迦コースとして知られる塔ノ沢登山口への分岐を右に分け、更に林道を走らせると立派な道標とトイレのある折場登山口に着く。ここは弓の手コースとして知られている。駐車場には数台の乗用車とマイクロバスが1台あった。紅葉には既に遅く静かな山歩きを楽しめるかと思っていたがそうもいかないようだ。この林道は「大滝」を経由して「小中」に抜ける。郡界尾根登山口にも行ける事から、林道が全面開通であれば「根利牧場」からも来られるわけだ。そうなれば沼田からもだいぶ近くなるのだが、あいにく今は工事中で根利には抜けられない。自宅から1時間半をかけて登山口に到着した。

折場登山口

雑木林

前袈裟丸山

笹原の道
 沢入駅からここ折場登山口、そして賽の河原から寝釈迦を通って沢入駅までの周遊コースが「寝釈迦のみち」として関東ふれあいのみちとなっている。登山口からは丸太階段だ。賽の河原まで1.7Kmとある。すぐに道は一般者向けの南回りコースと健脚者向けの北回りコースに分かれるが数分で道を合わせる。どちらでも大して変わらないようだ。階段のなくなった道は気持ちの良い平坦な雑木林で、僅かに楓の紅葉が残っているが落ち葉が堆積した道だ。やがて林を抜けると前袈裟丸山が姿を現す。左手に見える赤城山が大きい。谷を見下ろせば一本の沢が音を立てながら流れている。そして遠くにもの悲しい鹿の鳴き声が聞こえる。すっかり秋も深まったようだ。

袈裟丸連峰
 登山口から0.7Kmの道標にでると谷側が一面笹原になっている。郡界尾根コースの八重樺原のようだ。道は笹原と樹林帯の境界に沿って続いている。快適ではあるがやや傾斜の増した道にうっすらと汗をかいた。今日は全く風がなく温かい日だ。そのせいか遠望は期待出来そうもない。近い赤城山でさえ巨大な影のようである。笹原の谷と袈裟丸山を見ながら歩く道は樹林帯に入り込む。

つつじ平展望台
賽の河原へ0.5Kmとある道標とベンチの置かれた広場はシラカバ林が美しい。更に進むと今度はカラマツの林になる。すでに黄葉は終わり落葉した木は裸に近い。相変わらず道は緩やかな上りで快適きわまりない。カラマツの林を抜けると一気に展望が広がった。前袈裟〜奥袈裟までの4連のピークがそろい踏みである。そして直ぐに展望台のある「つつじ平」だ。

賽の河原

避難小屋
遠望もないので帰りにでも上る事にして先を急ぐ。すると直ぐに賽の河原に出た。ここ賽の河原で塔ノ沢コースからの道を合わせる。100mほど下りれば避難小屋とトイレがあるとの道標に従って様子を見に足を延ばす事にする。小屋は新旧2棟あり十分使用に耐えられるものだ。トイレは形ばかりのもので利用する気にはなれないだろう。撤去した方がよい。賽の河原に戻り説明板を読むと、この袈裟丸山は弘法大師にちなんだ山のようだ。

小丸山頂上
 賽の河原からは下りになる。袈裟丸山雨量観測局を過ぎ小丸山への上りに入る。道は岩がゴロゴロと多く歩きにくい。そのせいか脇の笹原にいくつもの踏み跡がありその踏み跡は快適で歩きやすい。十分に汗をかいた頃小丸山の頂上に出た。そこからは袈裟丸山は勿論のこと庚申山、鋸山、皇海山、男体山などを望むことが出来た。周りにはコメツガやツツジが多い。アカヤシオの最盛期にはここ小丸山までで引き返すハイカーが多いようだ。確かにこの展望とツツジが楽しめれば十分かもしれない。曇りがちだった空も青空を見せるようになっていた。

避難小屋広場

シラカバの若木
 展望を楽しんだ後、急な斜面を袈裟丸山との鞍部に向け下りていく。笹の道を行けば黄色のかまぼこ型をした避難小屋のある広場だ。そこには使えるトイレと水場もある。周囲は美しいシラカバの林で大変気分がよい場所だ。春には多くのハイカーで賑わうのだろうなあ。広場からいよいよ最後の上りになる。腰までの笹をかき分けながら上っていく。シラカバの若木が多く緑と白の対比がきれいだ。

前袈裟丸山頂上

鋸山方面
 林を抜けいよいよ急登となる。所々タイガーロープが張られ、木の枝や根に掴まりながらの上りで汗が噴き出してくる。時々立ち止まってはコースを確認しながらゆっくりと歩いていく。やがて笹原の道が現れれば山頂は近い。傾斜も緩やかになり赤城山や浅間山の展望を楽しみながら歩けば一等三角点のある前袈裟丸山の頂上だ。展望はいまいちだ。シャクナゲとコメツガの木が多い。

後袈裟丸山を望む
 後袈裟へと続く道は通行止めとなっているが従うものは少ないようだ。展望を期待して踏み込んでみると直ぐに展望の良いところにでる。かつて山林火災でもあったのか岩が煤けたように黒くなっており立ち枯れた木も多く見られる。道の両脇にはシャクナゲの木が群生している。この一帯は群馬県で最も群生している場所らしい。そこからは奥袈裟丸山から皇海山、日光白根山、男体山、武尊山、至仏山、霞んではいるが谷川岳、上州三峰山などが見え、根利牧場や椎坂峠ドライブインの赤い屋根そして我が街も見ることが出来た。やはり皇海山からの稜線は袈裟丸山で間違いなかった。

紅葉
 山頂に戻ると、途中追い抜いたマイクロバスの団体が山頂で食事をしていた。帰りは小丸山を巻くショートカットコースがあるようなのでそのことばかり気になっていた。避難小屋の広場あたりからだと目星を付けていたが案の定そうである。小丸山の南側を巻くコースにはテープが付けられ良く踏まれた道だ。いつのまにか往路と道を合わせた。訪れるハイカーは多く賑やかな山歩きとなった。本当にツツジの多い山だ。このコースなら楽しいお花見が出来そうである。
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