横手山・芳ヶ平
よこてやま・よしがだいら
2305m・1832m
中之条町・長野県
芳ヶ平
登山日 2003年10月5日(晴れ) しんぷるライフ、KM、OA
行 程 渋峠(10:00-10:05)…横手山頂上(10:15-10:50)…渋峠(11:00)…芳ヶ平湿原(12:10)…芳ヶ平ヒュッテ(12:30-13:05)…白根レストハウス(14:05-14:10)…湯釜(14:20-14:30)…レストハウス(14:40)
 以前から秋の芳ヶ平は気になっていた。ガイドブックなどで見る風景写真がとても幻想的だったからだ。折しも妻が少し歩いてみたいと言うのであまり負担のないところで芳ヶ平を選んだ。近くにはまだ山頂を踏んでいない横手山もある。他に妻の同僚を2人連れて行く事になり、それでは観光的な要素を盛り込まなければと日本一標高の高いパン屋でもある横手山頂ヒュッテに寄り、芳ヶ平ヒュッテで昼食をと決め込んだ。
横手山頂上から望む本白根山

横手山リフト
 白根レストハウスの大駐車場に車を止め白根火山バス停から渋峠まで定期バスで移動する。バスに乗り込み隣の目的地までの料金を尋ねると490円だ。ちょっと高いと思いながらも、まあ仕方ないかと納得するしかない。今日は妻とその職場の同僚2人を連れて計4人での観光山行だ。妻は本調子には程遠いし他の二人は歩き慣れていないこともあって気を使わなければならない。バスが走り出すと運転手が観光ガイドを始めだした。その話し方はなかなか流暢で渋峠までの10分程の道のりを楽しく過ごすことができた。渋峠で降り往復700円の夏山リフトで山頂を目指す。

オオシラビソの霧氷
 本番は芳ヶ平なので体力を温存しておかなければならない。リフト下のオオシラビソに付いた霧氷がきらきらと輝いている。既に秋の中に冬が入り込んできていることを感じる。10分程でパラボナアンテナの林立する山頂に着く。先ずは山頂展望台に向かおう。のぞきバス停からスカイレーターとリフトとを乗り継いで上がってくる山頂駅の一角にある展望台だ。生憎ここからは360度の大展望は見えない造りになっている。ちょうどガスが上がってきて西側の展望は見ることができなかった。

横手山頂ヒュッテ
 次は日本一標高の高いパン屋でもある横手山頂ヒュッテに立ち寄ることにする。ヒュッテは観光客で賑わっており、ちょっと値段が高いが焼き立てパンの試食をする。焼き立てなら何でも美味いとは思うが、どうしてどうしてなかなかの出来映えだと思う。座るところもなく立ったままでの試食となった。

横手山頂標柱

山頂から本白根山
 さて女性陣にとってはどうでも良いことかもしれないが頂上を目指す。リフトから左下に見えた鳥居をくぐり平坦な道を行くと、石祠と標柱のある横手山頂上に着く。南方一体が開かれた山頂からは本白根山が大きく眼前に広がっていた。そして展望台ではガスに阻まれ見えなかった北アルプスの山々がが雲海に浮かんでいた。

渋峠

歩き始め
 渋峠に戻り芳ヶ平を目指そう。湿原までは標高差約300Mほど下りだ。側溝状の笹を切った道がしばらく続き全然展望のないスタートだ。そんなに厳しい下りではないだろうと予想していたが、さすがに火山帯だけあって登山道には岩が多くやや歩き難い。足下にはエゾリンドウの紫色の花、シラタマノキの純白の実やゴゼンタチバナの赤い実を見ることができた。

紅葉の中を行く

道標と白根山方面
 やがて木段が現れ歩幅を合わせさえすれば膝に負担の少ない道になってくる。岩も少なくなると白根山が赤ザレた地肌をさらし一部噴煙を吐き出している。樹林の間から芳ヶ平が見えるようになると足下はすっかり安心だ。やがて樹林が切れ笹原の展望の良い道になるとナナカマドの紅葉が点在する芳ヶ平湿原がはっきりと見えるようになる。その中に芳ヶ平ヒュッテが見事に溶け込んでいる。そこにはガイドブックで見た写真そのままの風景があった。

芳ヶ平

湿原
 樹林帯のやや急な斜面を降り小さな川を渡るとそこが目的地の芳ヶ平だ。池塘も点在しいかにも高層湿原といった感じだ。湿原を巡る木道や脇のベンチなどで数多くのハイカーが休憩を取っていた。ちょうど昼食を取るにふさわしい時刻になっている。湿原を周遊する木道を巡り芳ヶ平ヒュッテにでる。

芳ヶ平ヒュッテ
 楽しみにしていたヒュッテでの昼食だ。食事らしい食事は「おまかせパスタ」だけだ。店の前にビーフカレー1000円とあったが気にせずに注文すると「今日はパスタはできないのでカレーになりますけど」仕方なくカレーと生ビールを注文した。出てきたのは対して美味くもないビーフカレーと泡のないグラスビールだった。2頭の大型犬がテーブルの周りをウロウロとうるさい。ビール以外はセルフサービスだって。6人掛けのテーブルが2卓だけなのに(苦笑)。しかも店の奥さんは隣の客とおしゃべりをしているというのに…。店のサービスにはガッカリしたが期待したこちらが馬鹿だった。外へ出るとトイレの前に長蛇の列ができていた。

分岐

草原とナナカマドの紅葉

芳ヶ平を振り返る
 分岐からは白根レストハウスに向け上りの道となるが道は広く遊歩道のようだ。近くに寄れば色づきは確かにいま一つだが、緑が残る草原に点在するナナカマドの紅葉を中心に描かれた芳ヶ平の風景は何とも言えない雰囲気をかもし出していた。遊歩道の周囲は徐々に荒涼さを増し、緑の絨毯はなくなり地を這うようにクロマメノキが紅葉している。

湯釜
 女性陣の後をやっとの思いで付いていくとレストハウスに戻ることができた。「ここまできたら湯釜を見なけりゃねえ。」という声にもう一踏ん張りだ。湯釜への道は見物客で一杯で、まるで都会の雑踏に居るような錯覚を覚える。順番を待って記念写真を撮る。いつ来ても大型観光バスが何台も駐車し大勢の観光客が訪れる草津白根山だ。今度は白根山頂を踏みに来ようと決めた。
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