常念岳・蝶ヶ岳
じょうねんだけ・ちょうがだけ
2857m・2664m
北アルプス
登山日 2003年8月23〜24日(晴れ) しんぷる、HH
行 程 三股駐車場(7:45)…分岐(8:10)尾根(10:20)…前常念岳(12:20-13:25…8合目(14:15)…常念岳山頂(14:30-15:10)…常念小屋(16:00-06:20)…常念岳山頂(7:20-35…蝶槍10:35-50…蝶ヶ岳ヒュッテ(11:20-12:35)…まめうち平(14:05)…力水(14:40)…三股(15:00)
 三股に着くと70台の駐車場は既に満車だった。林道を引き返し適当な駐車スペースを見つけて駐める羽目になった。林道終点の登山口に設置してある案内板でコースを確認して出発だ。だがちょっと待てよ、今回ほど他人任せの山行はないような気がする。誘われた山行だからだろうか?ざっと下調べはしてきたつもりだったのだが(苦笑)。

三股登山口

尾根に出る

蝶ヶ岳・蝶槍を望む
 すぐに蝶ヶ岳への分岐を左に分け本格的な上りになる。ブナなどの多くの樹木が混在する樹林帯をH氏の後を付いてゆっくりと登っていく。今日の最終目的地である常念小屋まで7時間をみているが、標高差やコースタイムから推察して越後三山中ノ岳と同程度の登りと考えていた。
 先ずは尾根を目指してジグザグと道は続く。道はさすがに良く整備されていて歩き易い。やがて道標が現れると尾根に出る。相変わらず展望は得られないが、緩やかな上りとなり快適に歩くことが出来る。H氏は一歩一歩ゆっくりと確かめるように歩く感じで、こちらも呼吸が乱れたり心臓が踊ることもなく、無理のないペースであることを伺わせる。
 時折、対峙している蝶ヶ岳が樹林の間から望まれる。傾斜がきつくなり前方が開けてくると前常念岳への岩場の急登になった。前常念に到着さえすればその後はきっと快適な稜線歩きが待っているはずだ。大きな岩が堆積している登山道をペンキを頼りに喘ぎながら登る。いやぁ、きついなぁ〜。登ってきた道を振り返りながらゆっくり登ろう。

前常念直下の石室

前常念から燕岳方面

常念岳への稜線
 やがて頂上に近くなると石室が現れる。その前を通り一登りで前常念岳の頂上だ。三角点が置かれてはいたがピークといった感じではなく常念岳から派生する尾根の一部のようだ。時刻もちょうど良いので昼食を兼ねて大休止とした。
 予想通り常念岳に向かって気持ち良さそうな道が続いている。常念小屋への分岐コースは落石が多く危険であるため8合目から回るようにとの案内板が立っていた。それに従って先ずは8合目を目指す。山腹を回り込むようにして道標が立つ8合目に着いた。お〜、槍だ!穂高だ!ついに来てしまった〜笑。

8合目から大天井岳

常念岳頂上

常念岳から槍ヶ岳
 ここで小屋へ降りるか山頂に立つか決めようと話しながら歩いてきたが、山頂に立つハイカーの姿が大きく見える。行くしかないでしょ!こうなったら。道標の脇にザックをデポして一気に常念岳頂上だ。大きな岩が積み重なった山頂には祠と方位盤が置かれ、多くのハイカーがその狭い山頂を占拠していた。槍や穂高も良いけれど、横通岳から大天井岳〜燕岳方面も良いなあ。歩いてみたいなぁとちょっぴり。その奥にはアルプスの峰々が延々と続いているようだった。午後2時を回って槍・穂高はやや逆光ぎみ。
 明日の午前中に期待をかけて山頂を後にして常念小屋へと降りる。いやあ、ずいぶんと降りるんだなあ、明日又ここを上ってくることを考えると憂鬱になる。山小屋への下りにはトウヤクリンドウが数多く咲いていた。
 小屋に着き宿泊の手続きを取ると、今日は今年一番の大混雑とのことで、布団ひとつに2人でお願いしま〜すだって(苦笑)。定員300人だっていうのに。しかも夕食は第5回目の午後8時から。初めての山小屋泊りなのに、まあこれも良い経験かもしれないと変に納得する。部屋に案内され荷物を下ろしようやく一息。さあ再び外に出て大展望を楽しみながらビールで乾杯だ!レギュラー缶が500円だって(苦笑)。

常念小屋を見下ろす

蝶ヶ岳へ

蝶ヶ岳のコルから常念岳
 翌日も晴れ。予定より早めに小屋を出て常念岳を目指す。朝日に映える槍・穂高をバックに記念写真を撮り、いよいよ蝶ヶ岳までの縦走だ。山頂の先に道標がある。急なガレ場を慎重にかつ大胆に下る。蝶槍は目の高さに見えるのにもったいないくらい下らなければならない。蝶ヶ岳方面からは数多くのハイカーが上ってくるぞ!!さすが日本アルプスだ。ガレた急斜面の尾根は渋滞気味だ。最後のガレピークで小休止しコルへ下る。そして登山道は一気に樹林帯へと入って行く。常念岳と蝶ヶ岳は隣にありながら全く質を異にした山であるとの印象を持った。

蝶ヶ岳山頂付近

蝶槍と常念岳

蝶ヶ岳ヒュッテ
 比較的明るい樹林帯にはいくらか花が見られるようになった。まずはウメバチソウとハクサンフウロが咲いていた。何度かアップダウンを繰り返し、何種類もの花が咲き乱れるお花畑を楽しみながら歩くと蝶槍が目前に迫ってくる。そしてついに森林限界に達し、真夏の直射日光が降り注ぐ中一踏ん張りで蝶槍の頂上に立った。常念岳からは緑色に見えたその頂上も、岩が積み重なったピークだ。前方にはいくつものケルンが積まれた広々とした蝶ヶ岳の頂上がある。
 蝶ヶ岳ヒュッテまでのおよそ30分の道のりを、ガスにやや霞んだ槍・穂高を眺めながらこの山行一番の快適な歩きを楽しむ。ヒュッテが近づくと焼岳も姿を現す。眼下には周囲の荒々しい岩峰群とは対照的に梓川が静かに横たわっている。
 ヒュッテの脇を通り下山路に入る。急斜面もあるが連続したものではなく難なく歩くことができる。「力水」の手前は急斜面が続き、その命名の由来も予想できる。冷たく美味しい水を飲んで休憩らしい休憩を初めて取った後に三股までの緩やかな道を歩いた。
蝶ヶ岳ヒュッテ付近から常念岳
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