栗生山
くりうやま
968m
桐生市
栗生から望む栗生山
登山日 2003年5月18日(曇り) しんぷるライフ
行 程 鳥居前駐車場(10:00)…栗生神社(10:10)…山頂(11:05-30)…駐車場(12:30)
 栗生山は旧黒保根村で唯一地形図にその名が載る山だという。赤城山の近くにあるが目立たない山なのであろうか。私にとっては利根村の根利集落を抜け大間々に抜ける県道を通るたびに気になっていた山だ。何となく植生が豊かな山に見えて一度は登ってみたいと思っていた。標高も千メートル足らずであることから、やや早めながら春の花が楽しめるのではないかと思った。 栗生神社
栗生神社の赤鳥居を過ぎてからなおも道標に従い、石鳥居の前まで車を走らすと、既に県外車が一台止められていた。鳥居の脇に道は続いており、神社まで乗り入れられそうだがここから歩くことにする。脇にはテンナンショウの類が多く自生していた。170段あるという石階段を上り切ると栗生神社に出る。社の右手には樹齢1,200年にも及ぶという大スギが屹立していた。神社を一通り見学して、左手から登山道に入っていく。なかなか植生の豊かな山である。直ぐに簡易舗装の林道となり、他に歩くところもなさそうなのでしばらく道なりに進む。やがて舗装が終わると右方向に踏み跡がありここから本格的な登山道になってくる。

石鳥居

舗装道

杉林を行く
 道はうっそうとした杉林の中を急登していく。踏み跡はしっかりしており、またテープも切れることなく立木に付けられていて迷うことはない。しかし、とにかく急登である。小刻みにジグザグと道は続くが直登に近いものがある。足下は前日の雨のせいもあり湿っていて滑りやすく、露岩も多く歩きにくい。立ち止まること度々である。杉林の中は花もなく我慢の登りを強いられる。見上げれば上部は薄くガスがかかり、何とも言えない雰囲気である。アキレス腱が十分に伸びきった頃杉林が終わり雑木林となる。立木の間から差し込む光が稜線が近いことを予感させる。モミジの木が非常に多い。紅葉がきれいだろう。直登を一踏ん張りで稜線に出る。

もうすぐ稜線

稜線を行く

頂上風景
 緑一杯の稜線に出ると山ツツジがちょうど見頃で、ミツバツツジは終わりに近い。平坦な稜線を山頂に向け足を運ぶ。足下に目をやるとマイヅルソウ、チゴユリが2、3咲き始めていた。平坦な道から少し登るとあっという間に頂上だ。残念ながら周りは背丈の高い木々で覆われ何も見えない。取りあえず喉を潤してからもう少し先まで行ってみることにした。するとやや下った所に展望の良い岩場があった。足を伸ばした甲斐あって、その岩場には珍しいヒメイワカガミの群生を見ることが出来た。収穫である。
 赤城山や袈裟丸山の稜線をみられるということだが、生憎の天気でその展望は得られなかった。帰りは往路を忠実に戻る。静かな山旅を騒がせていたチェーンソーの音は昼休みに入ったのかいつの間にか聞こえなくなり、鳥のさえずりを楽しめるほどになった。
 帰りに「くず葉峠(標高849m)」を通ったが、ここから踏み跡が付いていた。標高差もなく植生が豊かそうな雑木林の中を歩いて行けそうな気配である。今度はこちらから歩きたいと思った。

ヒメイワカガミ(姫岩鏡)

マイヅルソウ(舞鶴草)

ホウチャクソウ(宝鐸草)

ラショウモンカズラ(羅生門葛)

フタリシズカ(二人静)

ヒイラギソウ(柊草)
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