笠丸山
かさまるやま
1189m
上野村
笠丸山
登山日 2003年4月27日(薄曇り〜晴れ) しんぷるライフ娘
行 程 登山口(08:50)…地蔵峠(09:40)…北峰(10:10-50)…南峰(10:55)…下山口(11:45)
 春にはやはりアカヤシオだ。昨日歩いた根本山のアカヤシオが見頃だったことから、受験勉強に明け暮れる娘に見せてやりたいと思った。しかも手頃に歩ける山で…。ここ笠丸山は昨年も登った山だが、地蔵峠経由で登ると本当にお手軽な山だ。しかも展望も優れることから人気もある山である。上野村までは本当に遠いが、そんなことは気にならないほどの何かがあるのだ。岩肌を飾るピンクのアカヤシオ。ハイカーだけでなく多くのカメラマンをも引きつける花。 登山道案内
 桧沢から上野村に抜ける県道は道幅が狭く対向車が来ると往生するが、幸運なことにたった1台の乗用車とすれ違っただけで塩ノ沢トンネルを抜けることが出来た。トンネルを抜けると直ぐに県道を左折し住居附を目指す。車中から鮮やかなピンク色のアカヤシオが岩峰を染めているのが見えた。思った通りの開花状況だ。
 笠丸山頂上からは360°の眺望が得られるのだが、この時期は気温が上がり易いせいか、どうしても遠望が利かなくなってしまうのが残念だ。しかし、アカヤシオがちょうど良ければいいとしよう。
 前回は南峰に登る直登コースを取ったので、今回は地蔵峠経由でのコースとした。こちらの方が一般的で登るには楽なようである。林道笠丸線起点登山口の狭い駐車スペースでは足りず、ハイカーの車があふれていた。そこで少し下に降りた空き地に駐車しての出発となった。コンビニで飲料水の補給を忘れたため、途中で沢の水を空のペットボトルに満たしてから登山道に入っていった。沢沿いの登山道を行くと先ずはエイザンスミレが目に留まった。続いてヤマエンゴサク、ハシリドコロと春の花との対面だ。出発時は肌寒さを感じていたが、歩き出せばあっという間に汗が背中ににじむ。明るい沢は気持ちがいい。名前は知らないが野鳥のさえずりも耳に気持ちがいい。緩やかな沢沿いの道をのんびりと歩いていく。

登山道に入る

カラマツ林の急登

楢の根元のお地蔵さん
 花の時期には登山道に三脚を立てて撮影に余念がないハイカーが多い。早速何か撮っている女性ハイカーがいた。手前にはミヤマエンレイソウが咲き出している。レンズの先を見るとやはりエンレイソウを撮っていた。沢に沿ってニリンソウも自生していたが、開花にはまだ幾分か早いようだった。やがて道は沢を離れ、カラマツ林の中傾斜がきつくなってくる。三人で思い思いに歩いているとどうしても調整に時間がかかる。急登をゆっくりと登っていくと楢の木のある地蔵峠に着いた。ここからは気持ちの良い尾根歩きだ。行く手には赤紫色のミツバツツジが咲いている。多くのハイカーに混じって山頂を目指そう。

小尾根を行く

山頂手前の小ピーク

北峰で
 小さなピークを幾つか越えると北峰にハイカーが立っているのが見えた。山頂は近いぞ。あそこから落ちればアウトだな。一旦下って山頂直下の岩峰基部に出ると木の根の張りだした道を左に回り込む。この付近は足下がぬかるんでいて注意が必要だ。急登を岩や根に捕まりながら進むと南峰と北峰のコル直下に出る。ここをロープを頼りに登り右手の北峰を目指す。細長い岩峰の山頂は多くのハイカーで一杯だ。アカヤシオも満開、ヒカゲツツジもひっそりと咲いている。昼にはまだ早かったが岩場に腰掛けて楽しい昼食とした。この時期に良くあることだが遠望は利かなかった。昨年登った諏訪山や天丸山が間近に見えた。

北峰と南峰のコル

南峰から下る

アセビの街道
 団体が多かった。目的は皆アカヤシオのようだ。その中に静岡県御殿場のハイキングクラブがあった。西上州の「ひとつばな」はつくづく有名なのだと思わざるを得なかった。時間はあっという間に過ぎていく。山頂も一杯だ。コルに戻って更に南峰に足を運ぶ。山頂標識の前では昨年と同様に宴会が行われていた。眺望はないのだが、岩峰でないこともあり落ち着くのであろうか。その前を失礼して帰路につく。木の根が露出した急な斜面を降りていく。記憶以上に急な斜面だ。前回はよくここを登って来られたものだと記憶を呼び覚ます。下りでも何組ものパーティにすれ違った。大賑わいの笠丸山である。近くの天狗岩、烏帽子岳、三ツ岩岳はどうだろうか。

下山口
 アカヤシオのない雑木林の下山道をひたすら降りるとアセビの群生する場所に出る。すでに花は終わりかな。しかし新緑が目に気持ちよい。やがて石灯籠が見えると住居附の集落に出る。舗装された林道の両側には桜、ミツバツツジや山吹などがアカヤシオばかりが花じゃあないとばかりに咲き誇っていた。暖かな初夏のような天気の中、短いが楽しい時間が過ぎていく。帰りには娘の希望もあって「国民宿舎やまびこ荘」に寄り汗を流した。
inserted by FC2 system