根本山
ねもとさん
1199m
桐生市・みどり市
三境林道から望む根本山
登山日 2003年4月26日(曇りのち晴れ) しんぷるライフ
行 程 三境林道起点(08:57)…不死熊橋登山口(09:00)…沢コース入口(09:20)…山頂まで2.5Km(10:00)…山頂まで1.5Km(10:40)…根本神社奥の院(11:00-10)…峰の平(11:30)…根本山頂上(12:00-40)…四つ辻(13:15)…中尾根コース入口(13:57)…不死熊橋(14:10)…三境林道分岐(14:20)
 根本山は桐生市の最北端に位置する山だ。沼田市からは非常に遠く感じる奥深い山である。このところ東毛の山に通うことが多い。袈裟丸山のアカヤシオは非常に有名だが、この根本山の話はあまり聞かない。いずれにしても花を求めての山行ではないが、果たしてどうなのかは気になるところだ。この時期は西上州に通えばアカヤシオにはお目にかかれる。意外なこと?にこの根本山もアカヤシオが多い山だった。 不死熊橋手前の案内板
 道を間違えて桐生市内を走っていると、徐々に回復して晴れ間が見えだしていた空から雨が落ちてきた。う〜ん、まいったなあ(苦笑)。しかし天気予報は明らかに回復する見通しだ。雨が止むまで登山口で待機していれば直に止むだろう。桐生女子校の近くのコンビニで昼食を買い求め、登山口に着く頃には、案の定雨はすっかりと上がっていた。三境林道起点に車を駐車し不死熊橋まで歩くことにした。石鴨林道入口にバリケードが置かれていたからだ。不死熊橋に着くと橋の手前に何故か車が2台乗り入れられていた。ちゃっかりした人もいるものだなあ。根本山の登山案内板を見て歩き出した。雨上がりのせいもあるのだろうか、ムッとするような新緑の臭いが辺り一面漂っている。先行者が「川コース」と書かれた標識に従いロープに捕まっていたが、あっさりと諦めて林道を歩き中尾根コースを目指す私の後ろを付いてきた。だが、ガイドブックを見てふと思った。やっぱり根本沢コースを取り時間があれば熊鷹山を回ってみようと。石鴨林道の分岐に立てられた道標に従い左の林道に進路を取った。中尾根コースの分岐を通り過ぎれば直ぐに根本沢コースに合流点があるはずである。

不死熊橋と沢コース入口のロープ

石鴨林道の道標

沢コースへ降りる

カヤデ沢を分ける

沢歩き

沢歩き
 徐々に気温が上がり、湿度も高いのであろうか汗が噴き出してくる。タオルを取り出しては汗を拭きふき沢歩きを楽しむ。足下にはスミレの花が目立つ。500mLのペットボトルのお茶は買ってきたが、カップラーメン用の水は用意していなかった。空のペットボトルに沢の水を満たして昼食の準備をした。時折沢を高巻きに進む所があるが、西上州の山に見られるように斜面を切った道であり、足を滑らせれば沢まで一直線に落ちてしまいそうだ。沢を歩き、沢を離れとにかくひたすら沢沿いに登山道は続いている。

道標 山頂まで2.5Km

滑滝

ハシゴ
 岩場に掛けられたロープ場を過ぎると根本山まで2.5Kmの道標が現れた。ここまで1Km1時間かかっている。随分ゆっくりの様な気がするが…。コースの所々に赤ペンキが施されている。時々現れる足下の花と、沢のせせらぎに慰めながら歩を進める。相変わらず汗が噴き出してくる。「タオル、タオルと…。」あれ、ない。探してみたが、どうも途中で落としてしまったようだ。先週の鳴神山でも1本なくしてきたばかりなのに、不思議なものだ。シオジの大木がある「大割沢」を左に分け、滑滝の右岸を高巻きしてロープを伝って沢に降りた。後ろを振り返るとアカヤシオがポツンと咲いていた。辺りを見回してみると他にも高い場所にポツンポツンと花を咲かせたアカヤシオの木がある。この頃から石祠や石柱が目に付くようになる。「石階供奉塔」を過ぎるとタイガーロープが張られており、その先には確かに石の階段があった。そこで一人の釣り人と会った。釣果はないようだったので挨拶だけ交わした。そして石の階段を登り切ると桧の大木が数本立っていた。ようやく神社が近いという気がしてきた。根本山まで1.5Kmの道標を過ぎると、右手の大きな岸壁に苔が一面生えており、その中を水が静かに滴り落ちていた。谷が狭くなり沢も枯れかけてきてた。錆びた鉄のはしごを登り「大天狗」の石柱、お地蔵さんを通過し1本の鎖場を上る。徐々に傾斜がきつくなってくる。さらに急登を30分ほど我慢して上るとようやく根本神社奥の院に着いた。

根本山神社奥の院
 神社は古く、じきに朽ちてしまいそうだった。そしてそこには多くの登山者達の名前が記念に記されていた。神社の裏手にはアカヤシオが花を咲かせていて、ようやく目線に入ってきたなあと感慨深かった。とにかくここまで休憩らしい休憩は取っていなかったし神社直下の急登であがった呼吸を整えるために一服することにした。神社の手前には鐘撞堂があったので、そこに置かれていた木槌で一回撞いてみた。鐘の音が谷間に静かに響き渡った。
 さて、行く先を見ると痩せ尾根に延々と鎖が続いている。雨上がりの濡れた岩場の鎖は一層の注意が必要だ。切れ目なく続く鎖場はさすがに息が切れる。神社での休憩が十分でなかったせいか足があがらない。休み休み、後ろを振り返りながらの上りになった。およそ15分ほど掛けて鎖場を過ぎると、立派な石宮が置かれた場所に出た。ようやく鎖から解放され尾根に出たようだ。そこから間もなく「峰の平」に着く。そこには半分消えかかった文字で根本山の説明板が置かれていた。立木の間から、男体山、日光白根山、錫ヶ岳、皇海山、袈裟丸山が見ることが出来た。根本山頂上からの展望はないと記載されていることから、展望が利くところでしっかりと見ておかなければなるまい。

アカヤシオ

分岐道標
 アカヤシオの咲く峰の平からの急斜面を1本の鎖を頼りに下るとコルに出た。ここは黒坂石方面への分岐になっていた。ここは尾根に沿って上りあげる。所々に咲くアカヤシオを見ながら快調に足は進む。明るい尾根歩きは気持ちが良い。そろそろ山頂が近いはずだし、先行者が居るだろうかなどと考えながら歩いていった。
 山頂はあっけないものだった。山頂標識は三ツ葉電機の山岳部とボーイスカウトによって建てられたものだった。木の根の張る山頂は「根本山」という名に相応しい気がした。2方向に続く尾根を少し歩いてみてから昼食にした。山頂は私の他には誰もいなかった。確かにガイドブックの通り立木が邪魔をして展望は得られなかった。さて、水の消費が多かったのか、それとも量が少なかったのかとにかく500mL1本ではとても足りない時期になったようだ。水は残り3口くらい、さてここで考えた。熊鷹山へはまだ行ったことがないが、水が足りないようだ。汗が滴り落ちるこの暑さでは大いに不安である。未練は残るが、今回は断念して中尾根コースで登山口まで戻ることにした。

根本山頂上

四つ辻

桧の中を行く
 帰りは中尾根コース入口が分からず沢コースへ戻り始めてしまった。ここで約30分のロス。藪こぎを強いられてコースを発見、難なきを得た。下りはじめはアカヤシオに慰められながらの下りだったが、やがて桧が目立つ道となり、単純な面白みのない下りとなってしまった。沢コースには度々あった「ハイキングコース」道標もこちらには1つもなかった。時間はかかるが沢コースを上りに使った方が面白い山歩きを楽しめるだろう。ついでに展望に優れるという熊鷹山を回って来られれば最高かもしれない。中尾根コースを降り林道に戻ると、沢コースの途中であった釣り人に再会した。「またお会いしましたね。」
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