高岩
たかいわ
1080m
安中市
入山から望む高岩
登山日 2003年3月19日(晴れ) しんぷる
行 程 八風平キャンプ場(10:00)…展望台(11:22)…雌岳(11:40)…鞍部(11:50)…雄岳基部(11:55)…チムニー上部(12:30-40)…鞍部(13:00)…西毛野外センター(13:25)
 高岩。その名に相応しい岩峰だ。岩峰は心落ち着かず決して好んで行きたい山ではないが、見ているだけでは面白くなく、頂上を踏んでみたいという欲求に駆られる。そろそろ雪も消えて登れるだろうと思った。南からの眺めでは雪など全く心配ないように見えたが、北側に回ると残雪はまだ深く行く手を阻まれた。20m程の鎖場を過ぎもう一歩というところで断念せざるを得なかった。撤退も勇気と言われるが自分の中では大変残念な山行となってしまった。 碓氷・軽井沢ICから望む高岩
 碓氷・軽井沢ICを降りて最初の信号を直進する。直ぐに西毛野外教育センターに入る道があるはずだったのだが…。それらしきところは土が盛られていて閉鎖されているようだ。何度か行ったり来たりしても結局見つからず八風平キャンプ場近くに駐車した。そしてガイドブックと逆回りで歩こうというわけだ。ところが登山口の案内も何もない。朽ちそうな丸太組のゲートがあったのでそこから延びている林道を歩くことにした。林道には積雪があった。萱場みたいなところを通って行くがテープも何もない。雌岳には尾根筋を進むことになっているので目の前に見える尾根に上がってみる。すると尾根に沿って登山道らしきものが続いている。時々テープも現れ、どうやら登山道に出たなと一安心だ。積雪はあるが歩くにはちょうどいいくらいだ。このままこんな感じでいけたらいいなあ、と思いながら歩く。

林道から入る

尾根筋

NHK中継施設?
 やがて尾根を外れ踏み跡がはっきりとしない場所に出た。黄色いテープが一ヶ所あるがその先がわからない。しばらく立ち止まって先のテープを探すが結局見つけることが出来なかった。意を決して登りやすそうなところにとりついた(笑)。
だが、この判断は過ちだった。しばらく行くと岩場が目の前に現れた。ここをのクリアしなければ先へは進めない。再びガイドブックを見ると鎖のない10mほどの岩場があり注意することとある。きっとここに違いない。確かにホールドもあり登れないことはなさそうだ。慎重に三点確保で上りきる。しかしテープもないし、さすがに西上州こんなものかなとまだ余裕がある。やがて北側の展望に優れた岩峰にでた。ここが展望台に違いない。いったん降りて雌岳を目指す。積雪は相変わらずだ。

登山道

浅間山を望む

雌岳
 ところがいきなり左足が股間までズボッと雪に沈んだ。おいおい、かんべんしてくれよ〜(泣)。それでも尾根らしきものが近くに見える。とにかくズボッ、ズボッと上りきる。すると先に道らしきものを発見。そして反対側にロープが見える。そして岩場。ようやく納得した。正規のルートに出たのだ。黄色のテープの地点から急なコースを取れば良かったのではないか。今まで通ってきた道は何だったのだ。はじめてガイドブックのコースに入ったことが確信出来た。テープは適当な間隔で付けられている。

鞍部
 北側を歩くので積雪量が多くなって靴は真っ白だ。何故かスパッツをしてないものだから、時折埋没したときなどは雪が入り込んでくる。それでもコースを外すことはないので足下だけ注意していれば安心だ。どうやら雌岳に着いたらしい。いくつかの岩峰を右に見ながら進む。そして急峻な下りをズボッ、ズボッと慎重に降りていく。すると鞍部に出た。ここに安中山の会の道標が立てられていた。そのまま直進し雄岳に向かう。
 雄岳の基部まではひと登りだ。そこから左右に道は分かれており大いに迷ってしまった。何度か右往左往したが、結局右に行くしかないとわかった。しかし岩場に残る雪に躊躇する。しかし、ここまで来て帰るのじゃあ…という思いに駆られる。まあ何とかなりそうだ。とにかく慎重に慎重に足を運ぶ。そして漸く20mチムニーの鎖場に着いた。「ここを登るのか…。」ザックを下ろして鎖に取り付く。鎖が狭いチムニー内を垂直に垂れ下がっている。幸いにも内部には適当な間隔で岩棚が出来ており、また内部が狭いことが幸いして背中を押し当てながら上ることが出来る。腕力には自信がないので、休み休み上る。何とかチムニーから脱出すると、最後の鎖が雪と氷の中に埋まっている。とにかく掘り出さなければ…。何でこんなところを上らなければならないのか?自分の中で気持ちが萎えていくのがわかった。来る時期が早すぎた。こんなに雪が残っているとは思いもよらなかった。力を振り絞って鎖を掘り出すと最後は四つんばいで這い上がった。やれやれ。さて左右どちらだ。右方向は積雪があり斜めに切れている岩の上を行かなければならない。やむなく左に上がるが行き止まりで進めない。鎖場まで戻って改めて右手を見る。山頂は直ぐ先だ。ただ滑り落ちればただでは済みそうもない。ましてこんな時期トレースすらなかったことを考えればあまりにも危険すぎる。どうしようか、ここまで来て引き返すのか…。撤退…。引き返すこともまた勇気だ。とても悔やまれるが仕方ない、戻ろう(泣)。

チムニー

鞍部から西毛野外センターへ下る

センター間近
 チムニーの下りは予想していたほどきつくなかった。置いておいたザックを背負い鞍部まで戻った。そこからは雪がうっすらと残った急斜面の枯れた沢をテープに従って降りていった。見つけられなかった登山口に出るはずだ。祠を過ぎるとカラマツ林に出た。どうやらここが西毛野外教育センターのようだ。安中山の会の道標が置かれていた。道なりに進むと土が盛られ進入出来なかった所に着いた。おそらく西毛野外教育センターは閉鎖されてしまったのだろう。舗装した道路に出ると八風平キャンプ場を目指した。帰りはIC手前の信号を左折し入山を経て国道18号に出ようとした。信号を左折ししばらく行くと「高岩登山口入口」の道標があった。道標に従い左折、わずかで本当の登山口があった。
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