鍋割山
なべわりやま
1332m
前橋市
鍋割山
登山日 2003年2月15日(晴れ) しんぷるライフ
行 程 姫百合P(11:05)…荒山高原(11:45)…笹原(12:15-25)…山頂(12:40-45)…笹原(12:55-13:25)…荒山高原(13:40)…姫百合P(14:15)
 前橋方面から見る赤城山が正面とすれば、沼田市内からは後ろを見ていることになる。そして見えるのは黒檜山、外輪山、鈴ヶ岳そして地蔵岳くらいである。鍋割山と荒山は隠れて見えない。毎日見ている赤城山であるが、踏んだピークは黒檜山と鈴ヶ岳の2ピークのみである。いつでも登れるとの気安さからか意外と近くて遠い山となっていた。妻の体調も安定しているようなので、足慣らしにと赤城山入門コースを歩いてみることにした。 案内図

姫百合駐車場
 箕輪の姫百合駐車場に雪はなく、登山者のものと思われる車が多数駐車していた。久しぶりに妻と二人の山行だ。準備をしていると単独行者がアイゼンを鳴らしながら歩いていく。あれ、必要なのかな?ここに来る途中に見えていた鍋割山に雪は見えなかったけれど…。

登山口道標
 登山口方面に目をやるとやはりアイゼンを取り付けている夫婦連れ(と思われる)が目についた。う〜ん、これは最初から必要だなと、ザックにしまい込んだアイゼンを取り出して装備することにした。カチカチと音を立てながら登山口まで行くと、なるほどしっかりと積雪している。そしてよく締まっていてスキー場ならアイスバーンといったところか。さすがに登る人が多いのか踏み跡がしっかりとついていた。

登山道にて
 比較的緩やかな道をゆっくりと踏みしめながら歩き始める。時は既に11時を回っているのに、やけに冷たい大気が耳を刺す。帽子を持ってこなかったのが悔やまれる。妻は黒のフェースマスクで固めているのだが、寒いためではなく紫外線の予防のためだという。確かに日の光はこぼれてはいるが、木々の間からだから日焼けをする程ではあるまい。今日はやや腰が痛いと言うので、度々様子を伺いながらペースを合わせて歩く。やや傾斜を増し岩が露出した地帯を抜けると「荒山高原」に出た。そこは日当りが良いせいか、黒い地肌を見せていた。

荒山高原
 左手には荒山、右手には鍋割山頂まで続いているはずの稜線が姿を現した。周辺一帯はツツジが多く、時期になると見事な花畑になるに違いない。昨年レンゲツツジが見頃の時期にドライブがてら北面から登ってきた。ところが観光客でごった返し、駐車場も満車状態。そのまま道なりに通り過ぎて榛名山まで行ってしまった。どうもそういった混雑は性に合わない。2番目に見えるピークが頂上に違いない。記念写真を撮り鍋割山に向かって歩き出した。

荒山高原から鍋割山に向かう
 南向きの斜面なので登山道は雪が解け、抜かるんだ黒い土が露出しやや歩きにくい。最初のピークに着く前に妻が弱音を吐きだした。私は上まで行けないかもしれないから先に行っていいと・・・。腰から足にかけて辛いらしい。手前のピークに立つと山頂までは比較的平坦で楽そうに見えた。ここで妻を待つことにした。

小ピーク手前
 妻のすぐ後ろには一人の男の人が歩いていた。先に言ってもらおうと声を掛けると、「私は77になるのですよ。毎週登っているのです。先々週は風邪を引いてしまって、行ってくるとは言えず寂しい思いをしました。」聞くと往復3時間程で登るそうで、我々と変わらないではないか。午前9時頃までに登って眺める景色は素晴らしいと話してくれた。う〜ん、達者な人がいるものだ。山は人に元気を与えてくれる。しばらくの間、妻を相手に楽しそうに話をしていたが、やがて先に歩いて行ってしまった。

山頂への尾根
 妻も元気が出たのか、何とか行けそうだというので、ゆっくりと頂上に向かって歩いて行った。数組が昼食をしたり、写真を撮ったりしている広々とした笹原に出た。すぐそこのピークが山頂に違いない。我々も腰を降ろし昼食にすることにした。

谷川連峰を望む
 私はピークを踏んで来ようと足を進めたが、山頂標識が見当たらない。先を見ると稜線は更に続いていて、ここより低く見えるがピークもある。ハイカーも歩いている。あれ、騙された。確かにここまでは近過ぎたし、時間もかかっていないのだ。ここで休憩していると言う妻を残し先まで行ってみることにした。

鍋割山頂
目指すピークに着くと更にピークが見えた。これには参った。カップラーメン用のお湯を沸かし、沸いたら入れておいてくれと妻に頼んでおいたからだ。しかし、ここまで来て鍋割山頂を踏まないのもしゃくである。更に足を進めた。そして荒山高原から4つめのピークが本当の山頂であった。そこには先ほどの老紳士が休んでいた。妻とラーメンのことが気になり、5分程で頂上を切り上げて戻ることにした。

荒山を見ながら帰路につく
小走りに近い状態で歩いた。息を切らして戻った時には、妻がまだラーメンを食べていた。そんなに時間は経っていないと少し安心したが、すっかり延びきっていた。「展望は変わらないんでしょ?」と聞かれ、「ほとんど変わらないね」と答えた。どちらも浅間山から武尊山までの山並みがはっきりと見えた。あいにく時間が遅かったため、南方が霞んではっきりとは見えなかったが、大展望が得られるピークだ。もう一度早朝に来てみたいと思った。心配していた帰路も事無きを得た。ツツジの咲く頃、今度は荒山に登ってみようと話しながら、やや緩んできた雪道を降りて戻った。
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