大岩・碧岩
おおいわ・みどりいわ
1133m・
南牧村
六車付近からの大岩・碧岩
登山日 2002年12月7日(曇り) しんぷるライフ
行 程 三段の滝入口駐車場(08:45)…三段の滝(09:10-09:15)…碧岩沢入口(09:45)…碧岩分岐(10:20)…碧岩(10:30-10:35)…碧岩分岐(10:45)…大岩(11:15-11:45)…三段の滝下(12:50)…駐車場(13:15)
 雨沢から六車に向かう途中、二つの鋭峰が西の空に屹立している。これが大岩と碧岩である。「神々が宿る山」として崇められた山という。南牧村では最も西に位置すると思われる熊倉集落の「三段の滝入口」に登山口があるが、この三段の滝は西上州で最も素晴らしい滝の一つに数えられているそうだ。この春、南牧村自然公園でキャンプをした折り登るはずだったのだが、眠気と強風で敢なく断念した経緯がある。  ハイキングマップ
三段の滝橋を渡り立派なトイレのある駐車場に着く頃には薄日が差していた。天気予報では終日曇りで午後から雨模様とのことだったから取りあえず一安心である。他に車もないことから先行者は誰もいないに違いない。きれいに整備されたゲートボール場の脇から歩き出す。先ずは居合沢を「三段の滝」に向かうことになる。既に冬枯れた木々の中、丸太の橋を頼りに右へ左へと何度も渡り返しながら進む。大水で流され片側が水没していたり、無くなっている箇所もある。何度となく整備されてきたのだろう。

登山口駐車場

居合沢

三段の滝
 鉄製の梯子が現れるとその先に三段の滝が見えて来た。さすがに南牧村三名瀑、見事なものである。滝下にはベンチと標識が立っていた。さてこの滝を巻いていかなければならない。キョロキョロと赤布を探すと滝の右手から登っていくようになっている。2箇所ロープが張られ歩きづらい所があるが難なく滝上に出ることが出来る。道は再び沢に沿って進んでいる。とにかく忠実に沢を詰めると「碧岩・大岩」への分岐標識が現れた。居合沢に沿って進めば「二子岩」へ行くらしい。標識に従い左の碧岩沢へ入っていく。更に沢を詰めると再び標識が現れた。大岩・碧岩方面を見ると左右の尾根に踏跡と赤テープがある。赤テープの貼られた標識を見れば左は大岩方面、右は碧岩方面と考えられる。右の尾根の方が踏み跡もしっかりしていたが、フラフラと左の尾根に取付いてしまった(正解のようだ)。

道標

枝尾根

碧岩分岐
 ところがこれが大変な急斜面であり、立木や根に掴まっての直登である。踏跡も多く適当に歩きやすい場所を探して高度を稼ぐと直ぐに尾根に出た。急登ではあるが比較的歩きやすい道だ。呼吸を整えながら登っていくと大きな岩の下に出た。正面の木の根付近に朽ちて文字の読みとれない標識が置かれていた。左は「みどり岩」と読めた。
 碧岩はどうでも良いと思っていたので、どうしようかと少し迷ったが結局行ってみることにした。直ぐに碧岩の基部に着いた。2箇所に約10m程のザイルが複数掛けられていた。確かにザイルなし登るのでは困難であろう。その2箇所の岩場以外は問題はなかった。山頂を先に先にと進むと山頂標識があった。そしてそこからは荒船山方面から鹿岳・四ッ又山方面の展望が見事だった。名残惜しいが大岩でも同じような展望が期待できそうなので先を急ぐことにした。基部まで戻り大岩方面に足を進める。

碧岩最初のザイル

碧岩頂上

 
間もなく「三つ又」に着くが、そこに立てられた道標はどうもおかしいようだ。誰が書いたものかボーペンで補足してあり、この道標は碧岩への分岐にあった「朽ちた道標」の位置に立てられるべきだったような気がする。事実道標に従って「三段の滝・熊倉」方面へ様子を見に行ってみたが、意図的に木の枝により道は塞がれているように見えた。大岩に向け歩きやすくなった道を進む。明るく快適な雑木林の道を、落ち葉を踏みしめながら行くと、砥沢への道を右に分ける。
 小さなピークを越え大岩の肩に出た。ここからの眺めはなかなか素晴らしいものがある。左に碧岩、右に大岩そして背後には西上州の山々だ。碧岩はこうしてみるととても落ち着けそうもない頂上に見えるが、案外広く落ち着ける場所だった。行く手に見える大岩は痩せていて険しそうだ。大岩の方が一般的だと紹介されているが、本当にそうだろうかと思ってしまった。

大岩の肩から碧岩を望む

大岩

大岩頂上
 ヤセオネは初め左側から入る。そしていよいよ切れ落ちて、これはちょっと嫌な雰囲気だぞと思った頃右側に移る。すると右側は幅広く安心できる岩場である。何度か軽く膝をぶつけながらも頂上に立つことが出来た。展望は碧岩と同じ様なものである。山頂標識から更に奥に進むと、小沢岳や桧沢岳さらに稲包山などを見ることが出来た。展望の良い岩場に戻って冬の定番の昼食とした。あいにくの曇り空だが、まあまあの展望だ。風がないのがありがたい。しかし段々と雲の色が濃くなってきている。

栂の大木
 天気も心配だし戻ることにしよう。岩場を慎重に下り肩まで戻る。ここからは気を許して歩くことが出来るが、さすがに西上州。ちょっとよそ見をしながら歩くと直ぐに道をはずす。赤テープが消えて慌てて戻ること度々であった。誰にも会わない静かな山旅かと思いながら例の急斜面を下りていくと、1組の若者のパーティーが道標の前で汗を拭っていた。会釈だけして前を通り過ぎた。三段の滝を過ぎ南牧村の水道施設の脇を通り駐車場まで戻ると、他に「相模」「湘南」ナンバー2台の車があった。途中ですれ違ったパーティーのものだろう。時間も早いので「大屋山」に行ってみることにした。
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