三国山
みくにやま
1636m
みなかみ町
三国山(お花畑から)
登山日 2002年6月2日(晴れ) しんぷる
行 程 上越大橋登山口(11:20)…三国権現(11:57)…お花畑(12:30)…山頂(12:50-13:10)…山頂北方(13:10-40)…三国峠(14:30)…駐車場(15:10)
 三国山と呼ばれる山は複数あるようだが群馬と新潟県境の山である。三国峠には赤城、弥彦、諏訪の三神を祀る御坂三社神社(三国権現)がある。実際の登山道はここから始まると言っても良いだろう。自然歩道となった旧三国街道をのんびりと歴史を遡りながら歩くのもいいかもしれない。山腹には「お花畑」と呼ばれるちょっとした草原があり高山植物の宝庫となっている。7〜8月にはニッコウキスゲ、クガイソウなどが一面咲き乱れるという。関越自動車道ができてから通ることのなくなった三国峠にドライブをかねて行ってみる。 三国山付近の案内板

三国トンネル

登山口

旧三国街道へ
 上越大橋手前の駐車場から歩き出すが大型車が行き来し油断できない。風も強くうっかりすれば帽子を飛ばされそうだ。三国トンネル手前で道路を横断し登山道に入っていく。直ぐに傾いた道標があり、それには「中部北陸自然歩道入口」と書いてある。セミの鳴き声がうるさい夏の気配濃厚な樹林帯を行く。今日は最初に野ウサギが迎えてくれた。我々に驚いた彼は登山道を大急ぎで駆け上がっていった。その後をのんびりと歩いていく。ジグザグを曲がると彼に再会、彼は脱兎と化して走り去っていった。その後ろ姿が何とも滑稽で面白かった。登山口から500mで立派な道標が設置されている。

三国峠

お花畑へ向かう

お花畑からの登山道
 緩やかな登山道の小花に目をやりながら歩いていくと程なく旧三国街道に出た。ここで大般若への道を分ける。ここから直ぐに三国峠に出る。三国権現神社の付近には多くのハイカーがいた。時間的に出遅れている我々は先を急ぐ。登山道は神社の右手から続いている。
 ここからの登山道は木段となる。最初は腰の高さほどある笹の間を一段一段上っていく。特に見るべきものもない単調な階段ほど疲れるものはない。笹もわずかで終わり小花が顔を出すようになると気が紛れる。

山頂まで続く木道

もうすぐお花畑

山頂への木段
 木段も時々途切れるが延々と続く。階段沿いの花だけが楽しみだ。やがてベンチが設置されやや平らになった場所に出た。ここが「お花畑」と呼ばれているところだ。一面キスゲが咲き乱れるらしいがまだ時期には早く寂しい草原であった。三国峠からは下ってくる多くのハイカーとすれ違った。上っていくのはすでに我々だけのようだ。
 山頂が近くになると樹木もないザレ場になったが、よく整備された苦手な木段が一直線に延びている。しかしながらこういった場所ではこれが重宝する。途中平標山への近道を左に分け、一歩また一歩と歩いていくと遂に階段が途切れた。そして緩やかな土の登山道となり程なく山頂に着いた。

山頂

山頂風景

幸福の鐘
 既に山頂付近には誰もいない。お花畑からこの山頂までは大変に展望がよい。東は武尊山から日光白根〜袈裟丸、赤城、子持、榛名、稲包、白砂そして苗場山が大きい。北方には谷川連峰が白樺林の上に頭を出している。行儀が悪いが山頂標識の上に立って谷川連峰を眺めた。そして山頂には「幸福の鐘」が平成12年9月吉日に設置されていた。試しに鳴らしてみたが三国に響き渡るほどの音はしなかった。他にも南牧村の茂木正徳さんが平成11年9月に建立した山頂識があった。どうも9月が好きなようだ。北西方面に登山道が続いているのでそちらに足を運んでみると谷川連峰がよく見えた。行儀の悪いことなど行わなくても最初からこちらに来れば良かった。そしてこちらにはツツジやシャクナゲが見事に咲き誇っていた。この登山道脇で弁当にした。
 登山道は大源太山に向かって続いている。下ること数分で先の近道と道を合わせる。やや下り加減の登山道を三国峠に向けて歩くこと10分で分岐に戻った。ここからは、だんだんはっきり見えるようになってきた遠くの山々を眺めながら、気持ちの良い風に吹かれて木段を下りていく。下りの木段は非常に楽で良い。足を踏み外さないように歩くだけだ。もう誰もいなくなって静まりかえった峠まで戻り、相変わらずセミが鳴いている樹林帯を下りトンネルの横まで戻った。野ウサギは見送りには来てくれなかったようだ。
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