白砂山
しらすなやま
2140m
中之条町
白砂山(堂岩山から)
登山日 2002年6月1日(晴れ時々曇り) しんぷる
行 程 登山口(6:15)…ハンノキ沢(6:27)…地蔵峠(6:52)…水場道標(7:55)…堂岩山(8:20)…八間山分岐(8:25)…山頂(9:32-10:00)…猟師の頭(10:30)…堂岩山(11:00-10)…水場(11:30)…地蔵峠(12:17)…登山口(12:50)
 白砂山は上信越国境を分ける奥深い山だ。野反湖周辺には白砂山の他にも八間山、三壁山、エビ山、高沢山〜カモシカ平などがあり登山道もよく整備されている。湖畔にはキャンプ場もあり山が深い故にハイカーやアングラー達の拠点となっている。以前、家族でエビ山からカモシカ平に降りて三壁山を通るコースを歩いたことがある。たしか市民ハイクだったと記憶しているが、ガイドに花や蝶などの説明を聞きながらの山行だった。今回は花の時期にはやや早いと思われるが、快適な稜線歩きを期待して白砂山まで歩いてみることにする。 白砂山の案内板

登山口からすぐの登山道
 野反湖畔の駐車場に着くと既に数台の車が止められていた。上空は晴れていそうだが、低くガスが出ていて白砂山方面が気がかりだ。駐車場の端に白砂山登山口の道標が立てられそこから登山道が延びている。笹の間を切り開いたような道が続く。やや上った後ハンノキ沢まで高度を下げていく。

ハンノキ沢の橋
先ずはオオカメノキの白い花が迎えてくれた。足下を気にかけて歩くと、2本のショウジョウバカマ。直ぐにハンノキ沢に着く。ここには丸太を組んだ橋が架けられていて、水量が多いときは必要な橋と思われる。渡るとぐらぐらと揺れて心配だが注意して渡る。ここからは地蔵峠を目指して上りになる。 

地蔵峠のお地蔵さん
 笹と白樺の登山道だ。比較的単調ではあるが、うっそうとした感じの樹林帯ではなくどちらかといえば気持ちがいいくらいである。エンレイソウが所々目につく。草花はまだ朝露が乾かず体が重たそうだ。

地蔵峠の道標
 やがてやや傾いたプレハブ小屋が現れた。使われている形跡はない。それから間もなく地蔵峠に到着。その名の通りお地蔵様が祀られている。そしてここから秋山郷への道を分ける。秋山郷といえば数年前「栃川高原」でキャンプをしたことが思い出される。鳥甲山をバックに家族で撮った思い出の写真が残っている。

水場道標

水場からの急登

雪渓
  地蔵峠から登山道は緩やかになりわずかの上り下りを繰り返し徐々に高度を上げていく。相変わらず単調な樹林帯を行くがイワナシやミツバオウレンなどに目を楽しませてもらう。およそ1時間の歩きでちょっとした平らな場所に出た。水場への道標がある。250歩、5分とあった。ここでは高年夫婦が1組、ひと汗拭っていた。ここまで2時間かかったという。後ろを振り返ると野反湖がよく見える。先を急ぐ。

堂岩山
 水場を過ぎてからは傾斜が一気にきつくなる。木の根が露出したり岩が転がっていたりと大分歩きにくい。ずっと尾根に沿った北側を歩いてきていたが、沢らしき道に入っていくと雪が残っていた。沢道を埋め尽くしている。100m以上続いているようだ。消え残った雪の上には緑色のコメツガの枝葉が落ちている。念のためにと軽アイゼンを持っては来たが、使うほどではなく先行者が残した跡を追っていく。残雪も終わりかけた地点から登山道は沢から右手に上がっていく。この地点には数多くの赤テープが付けられていた。道を間違えやすい場所なのであろう。そして視界が開けてくると堂岩山の山頂だ。

分岐道標
 堂岩山に着くとようやく白砂山が姿を現す。山頂付近に薄くガスがかかっているが心配はなさそうだ。ここからは楽しい稜線歩きのはずだ。登山道もしっかりと続いているのが見える。残雪も見える。堂岩山から5分ほど下がると道標があり八間山に道を分ける。南側の斜面は一面笹に覆われていて何となく気分がいい。見れば一人の先行者がゆっくり歩いているのが見える。なかなか画になる風景だ。

白砂山への稜線
 シャクナゲやハイマツなどが登山道を飾る。またタカネザクラの木が数多く見られちょうど見頃の花を付けていた。シャクナゲは花芽が少なく花の数は多くはなかった。猟師の頭の手前で例の画になった先行者を追い抜いた。小岳のピークを過ぎた頃から足下をキョロキョロしながら歩いていくと、シラネアオイが目にとまった。何となくうれしさがこみ上げて来た。注意してみていると登山道の南側斜面数カ所で咲いていた。

山頂
 山頂へは30分程の急登だ。最後の一踏ん張りである。登山道も緩やかになってくると四角いものが視界に入ってきた。どうやら山頂のようだ。その四角の説明板は白砂山について書かれていたが所々剥げていたりして読みにくかった。その直ぐ脇には皇太子徳仁の登山碑が置かれていた。あまり広くない山頂から中峰〜東峰への稜線が気持ちよく続いている。北には佐武流山が大きい。そしてその後ろには雪を縞模様に残した苗場山が姿を見せている。鳥甲山に雲がまとわりついていた。岩菅山の稜線が気持ちよさそうだ。南方はガスでほとんど見えないが、歩いてきた稜線を見ているだけでも気持ちがいい。

山頂
 下山は往路をそのまま戻った。あまり期待していなかった花が思いのほか咲いていたので楽しい山行になった。既に咲き終わってしまったのであろうナエバキスミレの群生も見られた。駐車場に戻りぐるっと一回りしていたら、「白砂山登山道のご案内」の立派な案内板が目にとまった。それには野反湖周辺の動植物や昆虫などの紹介のほかに、登山道断面図とコースタイムが記載されていた。この断面図は旧六合村のHPにも載せられていたが、実際に歩いてみた結果からすると、この分刻みのコースタイム通りに歩くのは相当きついのではないかと思う。それは健脚者向けの案内であろう。
 富士見峠の売店でフラワーウォッチング・ハンドブック「花の野反湖」1050円を買って帰った。野反湖周辺は多くの観光客で賑わっていた。そして八間山への登山道はハイカーの列ができていた。
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