立岩
たついわ
1265m
南牧村
大上集落からの立岩
登山日 2001年12月22日(晴れ) しんぷるライフ息子、D
行 程 線ヶ滝(10:30)…南登山口(10:40)…ガレ沢・バンド(11:20)…山頂間近(11:35〜12:00)…西立岩山頂・見晴台(12:00-13:00)…経塚山分岐(13:45)…線ヶ滝(14:40)
 大上集落から見る立岩の姿はまことに見事である。画になる山である。立岩は東峰と西峰があるが、西峰は南牧村で登山道が整備され、見た目ほどの険しさもなくスリルと大展望の登山が出来る様になっている。一方、東峰には登山道もなく一般ハイカーが立ち寄れる山ではない。そして帰りには一筋の見事な線形を描いている線ヶ滝に寄ってみるとよいだろう。 登山道案内
 大上の集落に入ると、目の前に立岩が堂々とした姿を現した。思わず車を停めて写真を撮ってしまった。風もなく穏やかな日和だ。線ヶ滝の車道終点に駐車して支度を整えた。丸太の橋を渡るとすぐに案内板があり、そこは威怒牟幾不動の入口となっていて案内板の他に道標と石仏があった。道標に従って威怒牟幾不動方面へ歩いていくと沢には薄く氷が張っていた。氷を見れば子供達は大喜びである。水辺まで降りて足で踏んだり石を投げて割ってみたりしている。沢遊びに来たわけではないので声を掛けて先を急ぐことにした。
 5分ほどで南登山口入口の道標があり、そこには【立岩1.8q】、【中級者向(直登)】と書かれていた。直進すれば立岩まで3qとある。中級者向コースからの周遊とした。

南登山口

雑木林

ガレ沢
 最初は薄暗い杉林の中を抜ける。前日降ったと思われる雪が1p程積もった道はジグザグと続いた。やがて明るい雑木林の歩きとなり積雪も姿を消した。それもつかの間、再び杉林となった。そして短い木段を4箇所程過ぎ一踏ん張りすると南西方面が開けたベンチに着いた。今日は小学校6年生になる息子の友人であるD君を連れてきているため小休止をとった。子供達はまだまだ元気のようだ。やはり友達と一緒だと楽しいのだろうか、息子もいつもより元気がいい。のどを潤し、上着を一枚脱いで出発だ。
 直ぐに長い急な木段が現れ、息を切らしながら登り切ると立岩の岩壁の下当たりに着いた。そこからはガレ沢になっており、その中央には長いクサリが付いていた。浮き石を落とさないことを注意してクサリを頼りに登る。ここはさほどの心配もなく通過できた。子供達も余裕である。クサリが終わると右側の岩壁に幅50p、長さ30m程の斜めのバンドが続いていた。ここには太い鎖が付いていて見た目ほど怖い感じはしなかった。真剣な顔で4人が順に登り終えると雑木林のコルに出た。そこにはベンチが置かれ【山頂0.5q】との道標もあった。緊張感から解放されたためかそこでも小休止をとった。 

バンドを過ぎての登山道

西立岩山頂

八ヶ岳
 そこからは快適な稜線歩きで南方の展望も開けてきた。道はやがて稜線をはずれ日陰の北側へと進み、ちょうど裏側から回り込みながら山頂を目指すようになった。そして山頂間近の5m程のクサリをひと登りでひょっこりと稜線に出た。直ぐ前には山頂標識とベンチが見える。どうやら山頂に着いたようだ。我々が来た方に向かって【上級コース】と書かれた道標があった。下りは上級になるのだろうか?少々の疑問が残った。

兜岩山
 南西方面にはうっすらと白い八ヶ岳が、そして更に目をやると北アルプスまでハッキリ見えた。真っ白な浅間山が見事だ。記念写真を撮り少し東に下がった展望台と呼ばれるピークに進んだ。ここからは西上州の山々の展望が見事だ。兜岩山、経塚山、毛無岩、大屋山などが同定できた。そのピークは10名ほどの団体がベンチの回りを占拠し食事の最中だった。我々はシートをうっすらと積もった雪の上に敷き食事の準備を始めた。間もなく団体は「お先に」と下山し、代わりにベンチを利用できた。風もなく本当に穏やかな日和だ。

クサリの岩壁

尾根の途中で

東屋
 ピークからは北側に向かってクサリの付いたやや急な下りを降りていく。日陰になり雪が残っているため滑らないように慎重に足を進めていった。クサリが終わり気が緩んだのか、ふと足を止めた瞬間D君が滑って転んだ。その前にいた息子もつられるように転び2m位滑落した。やがて岩稜を巻くと尾根に出た。そして子供二人を先頭に、平行して2本のクサリが付けてある10m程度の岸壁を直登すると気持ちのいい稜線に出た。子供達は「ヤッホー」と何度も叫んでいた。道標は300mおきに設置されていた。
 やがて【立岩1Km】の道標が現れ右に経塚山への道を分ける。気持ちいい稜線歩きもここまで、道は左に曲がり雪の残った下りになると杉林の中に入っていった。うっそうと薄暗く、既に夕闇が迫って来ているな感じがした。

線ヶ滝
 威怒牟幾不動に着いた。お堂は朽ち果て倒れそうだ。お堂の後ろのオーバーハング状の岩壁からはポタポタと滴状の滝が落ち、氷の塊を形成していた。すぐ下には東屋があった。荒船山への道を右に分け線ヶ滝に向かって急いだ。途中【水飲場】があったが凍っていた。何度か丸太橋を渡り、行きのコースからの道を合わせると線ヶ滝に着いた。滝壺まで2分とあったので行ってみると見事な1本の水の線(糸と言うには太すぎた)が描かれていた。
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