迦葉山
かしょうざん
1322m
沼田市
迦葉山
登山日 2001年10月6日(晴れ) しんぷる
行 程 弥勒寺登山口(8:30)…奥の院・胎内潜岩(8:50)…和尚台(9:05-10)…御嶽山大神(9:40)…迦葉山頂(9:50-10:00)…弥勒寺(10:40)
 迦葉山弥勒寺は大天狗で有名だ。毎年8月3〜5日に行われる沼田祭り(祇園祭り)にも天狗みこしがかつがれる。かつげるのは女性だけである。迦葉山へは、沼田市内から玉原高原へ向かう。透門橋を過ぎてすぐ左に曲がると後は一本道だ。弥勒寺には大駐車場があり、そこに駐車しての登山となる。もう一本のルートは玉原ダムからの登山道である。鹿ノ俣山〜尼ヶ禿山〜迦葉山の縦走が面白そうだが…。

和尚台までの登山道
 登山道へは弥勒寺の渡り廊下の下をくぐる。くぐる前に左手を見ると、熊が出没するから注意することとの記載と貸し出し用の熊よけの鈴が置いてある。奥利根一帯は熊の棲家である。ちょっと触って鳴らしてみたがどうということもないので、そのまま廊下の下をくぐる。すると目の前に石の階段が現れるから、そこをのぼると「迦葉堂」という古びたお堂がある。ここから右手に登山道が延びている。踏みあともしっかりしているので心配は要らない。

奥の院と胎内潜岩

和尚台

和尚台の岩
 いきなりの急登である。薄暗い道である。5分程行くと迦葉山自家水道施設にでる。さらに5分で尾根筋に出る。山全体は雑木林のようである。ところどころにブナの木が目に付く。依然として急登は続く。すると目の前に奥の院が見えてきた。ここから胎内潜りをして進むコースと、左の一般道を行くコースがある。和尚台に登るのであれば胎内潜りを選ぶ。ここは迦葉山で最高の眺望を得られる。子持山の獅子岩みたいなものである。
 今日は半ば和尚台を登りに来たようなものである。二十歳頃に友人とここまで来て、クサリに怖気づいて登らなかった記憶がある。果たして今日はどうか。第一・第二のクサリは難なくクリア。しかし、まだまだクサリは続く。上を見上げると頂が見えない。それに左手は絶壁で、もしクサリがそちらに振られたらなどと考えると尻の辺りがムズムズして来た。ここで終わりにして山頂へ向かうか?しかし悔いは残る。ええい、行くしかない。
和尚台クサリ場

和尚台から迦葉山

和尚台から南方

御嶽山大神
 錆びたクサリにつかまり這いつくばりながら徐々に登っていく。ついに頂上だ。十分な高度感が味わえるが、思ったより広さがあり怖さはない。ザックをおろして一息入れる。風が気持ちいい。おお、眼下をトンビが飛び立っていくではないか。北は迦葉山が邪魔をして眺望はないが、あとは本当にいい眺めだ。おや、あそこの牧草地はなんだ?川場牧場かな。あそこが「21世紀の森」かあ。遠く浅間山も見えるぞ。
 さて、降りるとするか。一度通った道は怖くはない。それでも細心の注意を払いながら無事に岩の下まで到着09:20。ほっと一安心。しかし、高揚感は残っている。
 和尚台から下ってすぐに古びたハシゴがある。ここを降りて再び山頂に向かう。やっぱり急登である。緊張の連続の後だけにやや足が重い。すぐに一般道と合流。急登と中登の連続で、足を停めることが多くなる。ややうつむき加減に進むとひょっこりと山頂らしきところに出た。御嶽山大神の石碑である。完全に稜線に出たことがわかった。ここからは平坦な道のようだ。

御嶽山大神から山頂への登山道

山頂への道標

迦葉山山頂
 笹道である。しかし踏み後はしっかり着いているので快適だ。何処が山頂かな、などときょろきょろしながら進んでいくと、最初で最後の道標があった。白樺湿原を通って尼ヶ禿山頂まで4.5kmとある。時間にして2時間半ぐらいだろうか。
 山頂である。木々に遮られ360度の眺望とはいかない。しかし、間から武尊山が間近にみえる。北の空には雲がかかっている。風に木々が揺れ、波の音のように聞こえる。冬の気配を感じる。紅葉はまだ始まったばかりだというのに…。玉原高原のほうを見ると鹿ノ俣山は紅葉が見頃という感じだ。秋なんてあっという間に終わり、やがて長い冬に入っていく。
 帰りは来た道を戻る。急登だったため、小走りで降るような感じになってしまった。誰にも会わずに静かな山行と思いきや、案外いるものですな。迦葉山にお参りに来たついでにちょっと登ってきた風な夫婦。玉原高原まで予定している風な10人くらいのパーティー等、5組くらいのハイカーに会う。和尚台まで戻ればもうすぐそこだ。
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